大晦日になったので、一応二〇〇九年を振り返ってみる。
一言で言うなら、とことん貧しい一年であった。昨年までが貧乏でなかったとは言わないが(笑)、地道にやっていればいずれ良いほうに転ぶのではないかと開き直っていたのだが、一向に好転の兆しがなく、いい加減貧乏生活にもうんざりしてきた。
幸い秋口から仕事が上向きになってきたが、世間の景気動向に敏感な商売だからいつまで保つかは保証の限りではない。未だ先行きに光明の見えない状況ではあるが、病気もせずに生きていられる以上、これから先も生きていかなければならないと謂うのが大前提である。
そんな状況であったから、精神的な余裕には乏しかった一年間で、ブログのほうもなんだか愚痴っぽかったり現実逃避的なエントリが多かったような気がする。昨年辺りからニセ科学問題に首を突っ込んであれこれ書く機会も増えたが、今年はどうも腰を据えて社会的な問題を考察する根気も続かず、ちょっと中途半端な姿勢だったように思う。
そんななかで僅かに良かったことと謂えば、正月から続けて何本か良い映画に当たったと謂うことと、落語を旺盛に聴くようになったと謂うことくらいだろうか。映画のほうはそれきり観に行く余裕もなくなったので想い出の範疇だが、落語は今でも毎日欠かさず通勤時にたっぷり行き帰り三席ずつ聴いている…つまりそのくらい通勤に時間が掛かると謂うことであるが(笑)、ポッドキャストや動画サイトのお陰で元手が要らないのが大助かりである。
落語に絡めて幾つかエントリを書いたが、ほぼ半年かそこらの落語歴で一端の落語通のような顔をしてよくも書いたものだと我ながら思う(笑)。まあ、落語も文芸の一種ではあるから、書籍や映画の延長上の感覚で書いているわけで、噺の「読み解き」と謂う観点では、或る程度若い頃からの文芸や映画に対する投資で得られた抽斗が転用出来るのではないかと思う。
しかし、パフォーマンスとしての落語の芸の神髄と謂うのは、まだまだこれから勉強して行かないと目や耳が育たないと思うし、過去の名人上手の口演をもっと聴いてみたいと思う。演者のみならず、実際に口演を聴いたことがない演題も多いし、まだまだ落語で楽しめそうに思う。
また、今年一番遺憾に感じるのは、某所で「失はれた終末」のFinal act のレビューを年内に書くと約束したにもかかわらず、それを果たせなかったことである。またしても黒猫亭の「書く書く詐欺」の前科が一つ増えてしまったわけで、本気で書き上げるつもりではいたのだが、今年中盤のようなささくれ立った気分で書く気にはなれなかったのと、某白倉Pに対する感情がちょっと悪化した(笑)為に、到頭約束を果たせなかった。
イメージ的には、大方の予想として「どうせこいつ、また書かねぇんだろうな」と謂う思惑が支配的なところに、バババーンとレビューを突き附けて、「どうだい、オレだってたまには約束を守るんだぜ」と格好良く見得を切りたかったところだったんだが、結局いつもの言うだけ番長に終わってしまって、しょっぱいことこの上ない。
どうもなんだか最後までしまらない一年間であった。
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