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2006年7月14日 (金曜日)

Mythos

とりあえず、メンテ明けのご無沙汰ほどきに、小ネタを一本。

今日は漠然と暇つぶしにネットを漁っていたのだが、ネットで暇つぶしをする場合は何らかの知識体系を網羅的に読み漁るのがいちばん暇がつぶれるものである。たまたま今日の暇つぶしのネタは「神話伝承」の類だったのだが、まあそれ自体は今回のテーマではない。

北欧神話やケルト神話についての情報を漫然と読んでいると、神話というキーワードからクトゥルフ神話に行き当たったのだが、実を言うとオレはクトゥルフにハマった時期というのがまったくなくて、ラブクラフトの代表作を何作か読んだだけだから、当然クトゥルフ神話の体系についてはまったく知識がない。

クトゥルフの神話体系はラブクラフト本人ではなくその後継者のオーガスト・ダーレスが整備したもので、ラブクラフト自身の作品は相互に関係がありそうでなさそうな暗示的に共有された背景を持つ独立した短編群でしかない。

神話体系は、ダーレスがラブクラフトの諸作の中で共通している要素や個別の要素を整合的に意味附け、足らざる要素を附け足したものであり、むしろダーレスの創作というニュアンスが強いようである。

さらにダーレスは自身もクトゥルフ神話作品を執筆すると同時に、アーカムハウスという出版社を設立して、この神話体系に基づく怪奇小説の書き手を積極的に募ったそうなのだが、オレはダーレスは勿論他の書き手の作品も読んだことはない。

当ブログの読者なら、小中千昭の諸作にチラチラと頻出するキーワードを通じて識らず識らずの裡にクトゥルフに接している程度ではないかと思うが、実はまあ、今回の趣旨はクトゥルフそのものにもそんなに関係はない。

ネットを漁っていてオレの目に止まったのは、中心的な旧支配者であるアザトースについての解説中に挙げられた下記の引用文である。

宇宙を支配する知性も魂ももたない異形の神々が呆けて踊る、下劣な太鼓とかぼそく単調なフルートの音色がひびく外宇宙の深奥にて、冒涜的な言葉を吐き散らす魔王

「外宇宙の深奥にて」と説明されている割には、太鼓はともかく「フルート」という具体的な西欧楽器の名が挙げられているのは、ちょっと表現上どうなんだろうと思うのだが、それは単に翻訳上の訳語の問題であって、実際には横笛一般の音色を想像すればいいのだろう。どのみちこの引用文は、名状し難きものを擬人的に語った比喩にすぎないのである。

獣皮を張ったパーカッションの野卑なリズムと頼りない横笛の音色。冒涜的な言葉を吐き散らす魔王。知性も魂も持たない異形の存在が踊る愚劣な舞踏。窮めてビジュアルなイマジネーションを喚起する表現である。

だが、想像力貧困なオレがこの引用からイメージしたのは、こんな絵面であった。

楽しんで、いただけましたでしょうか

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