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2007年3月21日 (水曜日)

panchanne

詳細な内容はサッパリわからないものの、四月からスーパーヒロイン萌えにとっては黙過出来ない番組が始まるらしい。「美少女戦麗舞パンシャーヌ」というのが新番組のタイトルだが、そこそこ売れているグラドルの矢吹春奈が主演するということで、割合にパンピーの間でも話題になっているようである。

毎日インタラクティブの記事は、写真は多いが記事は報道資料からの書き起こしくさい薄めの情報で、MYCOMジャーナルの記事は製作発表会の直接取材記事という印象である。テレ東の新番組なのに、一次情報は何故か毎日系の二本の記事しかネット上には見当たらなかった。

写真をご覧になれば一目瞭然だが、羽根飾り附きベレー帽に赤いドミノマスク、白地赤裏のマントに白地メインのミニワンピースということで、これは完全に「美少女仮面ポワトリン」のイメージをトレースしている。

無論、ポワトリンの羽根飾りはドミノマスクに直附けになっているわけだし、白と赤にモスグリーンの差し色が入るというカラーイメージだが、パンシャーヌの場合はセレブイメージということなのか(笑)トリコロールが基本色になっている。また、ポワトリンの場合は同じベレー帽でもモンティベレーで若干ハードなイメージだが、パンシャーヌのベレー帽はキャスケットのニュアンスが盛り込まれていて、トリコロールのフレアスカートと相俟って若干ソフトでフェミニンなイメージに仕上がっている。

モンティベレーに付随するミリタリーイメージは、白いベレー帽のセーラーキャップ的なシルエットや肩の金モールで代替されているが、ポワトリンのメインアイテムであるベルサーベルが曲がりなりにも短剣モチーフなのに比べ、パンシャーヌのアイテムは魔法少女に類似のステッキで、全体的なコスチュームイメージもスーパーヒロイン的というよりも魔法少女的である。この辺同様なコンセプトに基づく「奥様は魔法少女」のエコーがあるのかもしれない。

このように、ポワトリンを魔法少女寄りに寄せた感じなのがパンシャーヌのデザイン上の特徴と言ってよいだろう。「中華なぱいぱい」から始まる東映不思議少女シリーズは中華魔女二作とポワトリンからのスーパーヒロイン物が三作、それと何だか分類不能な「歌う!大竜宮城」から成るわけだが、やはり一般的にこのシリーズを代表する一本といえばポワトリンということになるのだろうか。

オレなどは寧ろ不思議少女の掉尾を飾る「有言実行三姉妹シュシュトリアン」の印象が強いのだが、まあこの番組が玩具売上の不振から打ち切りの憂き目に遭ってCXの東映実写枠をアニメに明け渡してしまったわけだから、健闘はしたもののシリーズの寿命を延命させるまでの力はなかったということなのかもしれない。それでもCXのものまね王座決定戦でribonがコスプレしたことでも識られているわけだから、ある程度のヒットであったことは間違いない。

ある意味シュシュトリアンは、浦沢色を控えめにして派手なパンティラなどお父さんにもウケる要素を盛り込んだシリーズ最後の足掻きだったわけだが(笑)、それでも一般的知名度という意味ではポワトリンのほうが上だろう。シュシュがribonのコスプレなら、ポワトリンのほうも片岡鶴太郎がコスプレしたツルトリンで識られているのだから、まあ格から言えば鶴太郎のほうが上だろう(笑)。

どういうわけかシュシュトリアンは放映終了後殆ど(一回も?)再放送されていないということや、VHS時代も傑作選が何本か出ていただけでDVDに至ってはまったく未発売ということがあって、知名度という点では「観ていた人にしか識られていない」という不遇な作品である。おそらく「スーパーヒロイン図鑑」の映像でしかシュシュを識らないという不運な特ヲタもいるかもしれない。

CSの東映チャンネルやファミリー劇場でも、その直前の大竜宮城までは諄いくらいリピートを掛けているのに、おそらく当時ノーチェックだった特ヲタが現在一番観たいと思っているシュシュトリアンに関しては必ずスルーするので、今後に期待の掛かるところである。まあ前述の通りロコツなパンティラ狙いのコスチュームなので、三姉妹の誰かがリピートやDVD化に反対しているというのなら残念な話だが、今時セラムンの主演陣だって芝居の臭い一部ハリウッド女優を除いてあれを芸歴上の汚点だとは思っていないだろうから、そういう心配はないのだと信じたいところである。

閑話休題、幾ら一般的知名度がポワトリンに次ぐ勢いだからと言って、正面から和のイメージを強調したシュシュトリアンのデザインラインを拝借するというわけには行かなかっただろうし、ポワトリンの後番組である「ナイルなトトメス」のデザインは白地のターバンに貌の隠れる紗のベール、金ラメのハーレムパンツという地味なもので、シュシュ同様古代エジプトという番組固有の設定要素と密着しすぎている上に、折角グラドルを起用するのに露出度が低すぎるということで考えれば、どのみちポワトリンのラインを継承する以外の選択肢はなかっただろう。

簡単に言えば、不思議少女で設定要素と無関係なスーパーヒロインらしいデザインはポワトリンだけなのである。中華魔女はチャイナだし、トトメスは中近東、シュシュは和風、そして大竜宮城の乙姫は一言で言って「殿下」である(笑)。折角旬のグラドルさんが人妻役を演じるのに、変身後のコスチュームがハーレムパンツの月影の王子様やボンズ履いたヅカの殿下なナリだったら、多分暴動が起こるだろう。

現状のコスチュームを視てちょっとアレかなと思うのは、不思議少女時代のように本気でカッコイイ線を狙っていないのではないかという部分で、中華魔女はともかくポワトリン以降の四作品のコスチュームデザインは、石ノ森章太郎存命当時の石森プロがデザインワークを手掛けたらしく、コスチューム単体ではストレートに格好良い線を狙っている。最前色物呼ばわりしたシュシュにしたところで、和風スーパーヒロインのデザインとして無類に格好良いことはたしかである。

メッキパーツや紅のバトンなどはオモチャ屋とのコラボなのであんな物だが、山影幸子が旧い和服地をメインに制作したコスチュームは、たとえば安いくノ一Vシネのお手軽改造レオタなんかと比べると、一年五〇話附き合えるだけのスマートな完成度を具えている。紗のかつぎにきりりの鉢巻、振袖襷に金糸の幅広帯、錦のミニスカに革ブーツ、という見るからに「なんちゃって」感漂う字面だけを視てあれほどナイスなコスチュームを想像出来たらあんたは偉い(笑)。一種の三人戦隊なのだが、長女+次女三女の組み合わせで赤と黒の二色だけで三姉妹を差別化している辺りも芸が細かい。

先ほど腐した恰好のトトメスや殿下だって、露出度が低いというだけで格好良さという意味ではキチンと成立しているのである。この格好良い正統的なコスチュームデザインのスーパーヒロインが、シュールで脱力系の浦沢ギャグを演じるからこその不思議少女なのであり、そのムダに格好良い部分のギャップが独特の味になっていたわけである。

その意味ではパンシャーヌの装飾過多なひらひら感は若干パロディ臭が臭っていて、放映局がテレ東ということもあって、位置附け的に不思議少女のパロディ的なメタレベルの作品になるおそれはあるが、どうせ浦沢御大がメインを務めるなら、局際を超えて不思議少女の正嫡なんだと言い切ってしまうだけの思い切りが欲しかったところである。

CXでやんないならウチでやっちゃうよ、くらい正面から謳っちゃっていいんではないかと思う。ライダーやウルトラの例もあることだし、今更その手の縛りはないはずである。その意味で、このコスチュームはデザイン的にも露出度的にも決して悪くはないが本気度は低い印象を受けてしまう。まあ、変身ヒロインなんて動いてナンボという部分があるので、撮り方次第の問題ではあるだろうが。

それと製作発表会の写真から受ける印象で不安なのは、お面と矢吹春奈の顔立ちのバランスがとれていないのではないか、ということである。ポワトリンとの比較で言えば、主演の花島優子は素面だとちっとも美形ではないのだが、顔の部品が無造作に大作りなのでポワトリンの仮面を着けると素面以上に美形に見えるのがお得だった。

要するに、お面向きの顔というのが確固として存在するということである(笑)。

「仮面の忍者赤影」でタイトルロールを演じた坂口祐三郎もまたお面の似合う顔だったが、如何にヒットしたとはいえ、お面を着けた顔でしか認知されていなかったのが役者としては不幸だったのだろう。坂口自身もなるべく素面を出せるようにスタッフに働き掛けたようなのだが、正直、素面で出られても誰だかわからないのだから、同じことだっただろう。

まず、この手のお面は丸顔だと似合わない。お面の面積がそこそこある為に、丸顔だと面長に比べて露出する顔の地肌の面積が少なくなって、お面の形ばっかり目立つからである。次に、他はどうあれ鼻筋だけは通っていなければならない。ドミノマスクの立体性というのは鼻筋によって構成されるからである。最後に、形はどうあれ、とにかく目が大きくなければならない。ドミノマスクの中でポイントとなる光り物は目だからである。形なんかメイクでどうとでも拵えられるが、絶対的な大きさだけは変えられない。

ここまで条件を並べれば、同じ道具立てで何故ポワトリンプティットはブサイクに見えたのかという答が出るだろう(笑)。ポワトリン・村上ユウコの妹でプティット・村上モモコを演じた前田利恵は、年齢もあって丸い輪郭で各部のチマチマした造作が可愛い子役だったのだが、ちょっとお面向きのバタ臭い顔ではなかった。

その意味では矢吹春奈の顔立ちは申し分なく派手ではあるのだが、正面からのショットを視ると、顔立ちに比べてお面の幅が一回り小さい上に、若干立体性に欠ける印象がある。末広がりのデザインなのに顔の幅しかないのでは相対的に顔がでかく見えてしまうし、よく視るとマスクの目穴の外側に目が寄ってしまっていて、センターがとれていない。もう二、三センチ全幅を拡げて目穴の刳りを横方向に広めに採らないと矢吹春奈の顔にはフィットしないだろう。

また、折角本人が立派な鼻筋を持っているのに、お面の厚みで鼻筋が短く見えるような造形になっている。このちぐはぐな感じで言うと、矢吹春奈本人の顔から採寸して作ったようには思えないのだが、実際のところはどうなのだろうか。この手のお面が格好良く見える為には、着用者の顔立ちのナリに合わせてデザイン自体の寸法やシルエットを微調整する必要があるのだが、現段階ではそこまでは手を掛けていない印象である。

まあ、例の「仮面天使ロゼッタ」などは放映開始時点ではまだファラオンのお面の最終決定版が出来ていなかったというくらいなのだから、放映間近になってポッと情報が出たこの番組にも同じようなお台所の事情があるのかもしれない。お披露目の衣裳が最終決定とは限らないという例は幾つも視ているから、そこからジリジリとでも改善してくれればいいというだけの話ではある。

それから、どうも巷では高丸演出を不安視する声もあるようだが、オレはそれほど不安には感じていない。高丸雅隆の手腕を買っているからというより、番組の性格上演出はそれほど大きなファクターではないだろうと思うからである。

セラムンでは中盤にかけて進歩の視られた高丸演出ではあるが、TVシリーズ終了後のVシネ版では憑き物が落ちたように「いつもの高丸演出」に戻っていて、流石はモノがTV版の前日譚だけに高丸演出もその時点まで退行しているわけですね、いやいや芸が細かいなぁとファンを感心させたわけだが(笑)、まあその後の響鬼でも剰り好い評判を聞かなかった。

所詮映像作品における個人の仕事は一期一会、特定の作品で良かったから他の作品でも良いに違いないというのは無根拠な臆断だが、まあ高丸雅隆のアベレージの演出力というのは皆さんが響鬼でご覧になった通りのものである。それでも別段不安視していないのは、浦沢作品では浦沢脚本の印象が作品全体の印象を決定附けるからであって、演出の方向性のバラ附きがそんなに気になったことはないからである。

勿論浦沢義雄もベテラン脚本家の一人なのだから、作品によっては浦沢調を控えめにしてマトモな脚本も書けるのだが、この作品においてはその浦沢調を表芸として求められているのだから、いっそ気楽に書き飛ばすだろう。また、不思議少女の現役時代とは事情が違って、今は若いホン書きの中にも浦沢フォロワーがたくさん存在するし浦沢調の理解も進んでいる。

他の書き手の名を視るに、師匠の倅である大和屋暁の名もあるし、他に二人ほど名前の挙がっている人間は、どうやら浦沢や大和屋がシリーズ構成を務めた何本かのアニメの仕事で接点がある人材らしい。大和屋については芸風が近いから問題はないし、浦沢調はどちらかと言えば実写的なリアリティとは関係ないので、浦沢っぽさをどう捉えるかが他の書き手のキモになってくるだろう。

前述の通り、今やCSで不思議少女や不思議コメディは腐るほどリピートされているのだが、正直言って演出がどうこうという性格の作品世界ではない。一旦この世界に馴染んでしまえば、リアリティや整合性には強烈な思考停止の機序が生まれるので、坂本演出はやっぱりキレが違うとかそんな感触の違いなどは殆ど感じない。高丸演出のもっさりしたテンポとセンスでもそれなりに成立するのではないかと踏んでいる。

そういうわけで、殆ど情報がない状態で何やかにやと勝手な憶測を並べ立ててみたわけだが、全体的に言えば割合期待していることは間違いない。ストーリー的には村上ユウコのその後を追うような内容だが、若干ヒロインの年齢層を上げてグラドルを起用するというのは、ありふれてはいるが上手い手だろう。

オレは割合矢吹春奈の明るくて品の良い持ち味が嫌いではないので、その他大勢に埋もれてしまった「下北グローリーデイズ」よりも青春エナジー枠の「ダンドリ娘」で演じた近所の色っぽいお姉さん役が好きなのだが、やっぱ下北GDのようなドラマでは脱げるAVさんのほうが目立っちゃうのは仕方ないだろう(笑)。その点ダンドリ娘の役柄は剰り下品でもないし脱ぐ色気とは別の方向性のお色気キャラだったので、本人の柄には合っていたと思う。

設定面から視ると、おそらくあの辺の役柄のイメージの連続上の芝居を求められると思うのだが、色気と裏腹のいい子ちゃん的な清潔イメージも具える女優だけに、浦沢女性キャラ特有の根性の悪さや下品さをどう演じるかが見どころだろう。これがそこそこ当たれば矢吹春奈本人的にも他で使える看板が出来るのだから、何とか成功してこのジャンルの為にも後を繋げてほしいものである。

まあ、今回はこんなところで。

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