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2007年11月19日 (月曜日)

エアコン休みなし

あちこちのブログで「急に寒くなった」という話題を見掛けるが、オレのところでは数日前まで日中の最も気温が上がる時間帯は耐えきれずにちょこっと冷房を入れていたくらいだったのだが、昨日の晩から朝方にかけては流石に暖房を入れなければ耐えられないくらい寒かった。というか、今まで非常識なくらい頑固に居座っていた夏がいきなり本来の季節に座を明け渡したという印象である。

うちには炬燵やストーブの類がないので、暖房はすべて貧弱なエアコン頼りになってしまうのだが、石油やガスと比べてエネルギー・熱変換効率の悪い電力(熱→電力→熱という重畳的なプロセスが存在するからだが)に専ら頼っているわけだから、オレ個人が電気代の高騰に悩むばかりではなく、地球環境にもかなり負荷を掛ける生活スタイルということになる(笑)。

オレは四季の中では冬が一番好きで、次いで秋、春、夏という順になるが、今の東京には夏と冬しかないように感じる。しかも、三対一くらいで夏が長い。春も秋も夏と冬の間の調整期というイメージで独立した季節としては感じられない。急に暑くなって急に寒くなるというのは、最早日本の四季ではないだろう。最前の表現のように、暑い時期が不自然なくらい早く来て長期に亘ってギリギリまで居座っているという印象がある。

この暑さというのも、季節感のある暑さというより唯ひたすら気温が高いという性格のものだから、夏が長いという表現でも語弊があるのじゃないかと思う。

子供の頃には「そろそろ間氷期が終わって氷河期が来る」という、現在ではそんなに有力ではない説のほうがメジャーだった。まあ、直近の氷河期が終わってからまだ一万数千年くらいしか経っていないから「そろそろ」とは言っても一万年単位の話のはずなのだが、寒くなる分にはそんなにイヤじゃないなとか暢気なことを考えていた。その頃にオレが生きているはずはないんだから、子供の考えそうな戯言である。

学界の主流的な考え方が温暖化説のほうに舵を切ったのは八〇年代の後半くらいかららしいが、オレ的には「これからどんどん暑くなる」というのがイヤだなぁと思っていた程度である。しかもこっちのほうは「一九九〇年から二一〇〇年にかけて最大推計で平均気温が六・四度上昇する」というのだから、オレが生きてるうちにもガンガン気温が上がっていって異常気象が相次ぐということで、それこそ「暑くなるのはイヤだなぁ」というのが笑い話では済まされない。

地球温暖化というマクロな話を措いても、大都市にはヒートアイランド現象というのがあって、何れにせよ一年中不自然に暑い。

一説によると、東京がこれだけ暑くなったのは、湾岸開発で高層建築物を隙間なく建て込んで海風をシャットアウトしてしまったからだということで、今話題の東京駅のサピアタワーも、同駅舎が遮蔽していた東京湾の寒冷な海風を二つの搭で導いて皇居をはじめとする大規模緑地の涼しい空気を都内に環流させようという発想らしい。

まあ大雑把に言えば都心が郊外より暑いのは、緑地や水面が極端に少なく、発熱源のクルマがぎっしりと密集していて、ごたごたと建て込んだ建造物の空調から膨大な熱が排出されていて、そもそもコンクリとアスファルトという主要構成物質の蓄熱性が高いからで、さらにこれは科学的根拠があるかどうか識らないが、皇居を中心に配置された何重もの環状道路が関係しているという俗説がある。

実際、たとえば都心から郊外に向けて放射道路沿いにバイクで移動していると、環状道路を何度も通過するわけだが、その度にちょっと体感温度が違うような気がするから、あながち無根拠な話でもないような気がする。「環八雲」なるものの存在も観測されているが、調べた限りではヒートアイランドとの相関ははっきりしなかった。

誰でも学校で習うフレーズに「東京には空がない」というのがあるが、この「」というのは、普通一般の頭の上にある空間という意味ばかりではなく、

・その人の居住地や本拠地から遠く離れている場所。または、境遇。
・心の状態。心持ち。心地。また、心の余裕。

というニュアンスの表現だそうだが、今の東京人は「ああ、なんか田舎に比べて半分くらいしか空が見えないし、年一年中ガスってるからねぇ」と即物的なことを思うのではないだろうか。そういうふうに空の半分くらいを埋めた建物や高架道路からガンガン廃熱が放出されている上に、あらゆる観点から言って熱が逃げにくい構造になっているのだから、これで暑くならないはずがない。

オレなどにそれを断罪する権利なんかないわけで、とにかく無類の暑がりで夏場は機械の限度MAXまで強力に冷房を掛けているのだから、人様のことをとやかく言えた筋合いでは到底ない。世の中には冷房を止めて人海戦術の打ち水で気温を下げようという主旨の奇特なアピール活動もあるようだが、心の中で手を合わせながらエアコンのスイッチを最強に廻したりするわけである。

上京前後の時点では東京がこれほど暑いという話は一般的ではなかったし、実際上京後の記憶で言っても、ちゃんと秋口から冬場にかけて寒くなり一月二月には雪も降った。冬から春に掛けては水温むだけの遷移期間があって、ぽかぽか陽気で春眠が暁を覚えなかったりしたもので、太平洋側の気候だから日本海側のそれとはまた違うが、何だかんだ言って東京にだってそれなりに四季の別はあったような気がする。

クリスマスイブの夜更け過ぎに雨が雪へと変わるというのは、別段東北地方や北海道だけの話ではなくて、昔の東京の感覚だった。オレが上京した頃でも、暖冬でもなければ師走の月末には雪が降ってもおかしくなかった。今は下手をすると二月になっても雪が降らないし、年内に雪が降ることなど滅多になくなった。

生国の原風景というものがあるものだから、冬場にはたまに雪野原が見たくなって、二頭目の猫を飼う前までは結構定期的にあちこちへ旅行した。年が明けてからだといろいろ不都合なので年内に計画すると、スキー場が近くにあるようなところを選んでも五分の確率でアテが外れることが多かった。聞くところによると、近年は北陸の実家のほうでも冬場の積雪量が激減したらしい。

理屈や原因は様々あるようだが、とにかくこの先の世の中はどんどん暑くなっていくらしい。オレのように、喰ったもののカロリーが一瞬で熱に変わるような寒冷地に過適応した人間にはかなり住み難い世界になっていくようである。それに加えて、近年は歳を喰ったせいか寒さにも弱くなった。暑さ寒さに弱い貧乏人というのでは、この先生きのこる為の優位性が何にもないわけで、何とも心細い限りである。

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