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2008年11月28日 (金曜日)

焼きそばの日々

ここのところ、一週間くらい毎日焼きそばを喰っている。焼きそばと謂ってもソース焼きそばではなく中華風のあんかけ焼きそばである。随分以前に一番好きな喰い物として挙げたことがあるが、あんかけ焼きそばなら毎日喰っても飽きない。

ただ、幾ら好きでも、なんでまた毎日喰っているのかと謂えば、単にあんかけ焼きそばを作るのに凝っているからである。炒飯については好みの仕上がりになる作り方を自分なりに掴んだつもりだが、あんかけ焼きそばについては、作り方が面倒臭いと謂うこともあって未だに外食頼りのままだった。

一方、今夏から長期に亘って常駐していた仕事が一段落して多少ヒマが出来て、加えて常駐先の近所では剰り好みの焼きそばを喰わせる店がなかったので、少しばかりフラストレーションが溜まっていた。それでなくとも、常々時ところを構わず卒然と焼きそばが喰いたくなることがあったのだが、自宅で作れるようになればそのフラストレーションの幾許かを満たすことが出来る。少なくとも、喰う手段があるとわかっていれば喰えなくてもそれほど辛くはない(笑)。

そう謂う次第で、最初は調理法のコツを掴むつもりで二度ほど作ってみたのだが、これまで何度か作ってみた感触から改善点を考え、それを試してみたと謂うところである。これが割合手応えがあって、なんとなく弾みが附いてしまった。

某所で語ったことだが、実はあんかけ焼きそばにおいては、麺の果たす役割はそれほど大きくない。だから、家庭の夕食レベルで謂えばコンビニで売っている三食パックの麺で十分と謂えるのだが、たまたま近所の業務用スーパー(業務用の大量食品パックを安く売る店)で、一食二七円と謂う無闇に安い焼きそば用の麺を見附け、剰りに安いので気味が悪かったが、これが喰えればかなり安上がりになると思って何食分か買い込んで試してみた。

で、根が飽きっぽい割りには凝り性なので、結果として調理法の確立と食材のテストの為に一週間続け様に焼きそばを喰う羽目になったと謂うことである。

一回目は、さすがにちょっと腰がないので失敗してしまったが、二回目にはその反省を踏まえ一度炒め合わせてから揚げ焼きにすれば結構イケることを発見した。日清食品とか東洋水産の三食パックの麺は、パックの時点ですでにけっこう油が廻っているので、炒める感じだと少し諄いのだが、この安物の麺は油っ気が少なくてパサパサしていてそのままだと切れやすいので、一旦炒めたほうが具合が良い。

炒めた後に油で揚げ焼きにするわけだが、炒飯にしろあんかけ焼きそばにしろ、一通り研究してみると、実は店の味に近附けようと思ったら見ていて気持ち悪くなるほど油を使う必要がある。店では出来上がりの料理しか目にしないから気が附かないが、実際に作ってみるとどうやっても大量に油を使う必要があるのである。

あんかけ焼きそばの場合、堅焼きそばほどではないとは謂え、表面を揚げてカリカリにするわけだから、麺が少し浸る程度には油を使う。勿論、鍋に油は残るが半分くらいは麺が吸うわけで、あんのほうは別立てで作るわけだがこちらも具材を炒める際に油をふんだんに使ったほうが美味いので、総合的に摂取する油の量はかなりのものになる。焼きそば好きでそろそろ年齢的にメタボ気味のご同輩は、この事実を確と直視されたが好かろうと思う(笑)。

あんのほうのコツと謂うのは大したことではないが、多分大方の人が考えている以上に鶏ガラスープを大量に使うと謂うのは指摘しておいても好いかもしれない。大括りな見当で謂えば、ラーメンの半分くらいのスープが必要で、炒め物と謂うよりはとろみを附けた汁物とイメージしたほうが好いだろうと思う。

大概の店の味の組み立ては、鶏ガラスープに生姜を加え、具に半分方火が通ったらこれを注ぎ、煮立ったら仕上げに味醂と醤油で味を調える。単純だが、このやり方で普通の店の味にはなる。これと併行して麺を揚げ焼きにし、麺を皿に取るタイミングであんが仕上がるようにしてやれば満足のいく出来となる。

具はとにかくいろんなものがちょっとずつ入っていたほうが美味い。キャベツか白菜などの葉物野菜数種類とタケノコ、ピーマン、ハム、ブタ肉、あれば煮豚、絹さや、もやし、茸類、トッピングにむきえび数尾か鶉玉子、野暮ったくても好いならゆで卵か味玉の半切り、この辺りの食材が一通り入っていれば中華料理っぽくなる(笑)。基本的には冷蔵庫にあるものをちょっとずつたくさん入れる。

喰い方については、某所でちょっと語ったことだが、皿から直箸で喰うと喰っているうちにどんどんあんがシャバシャバになってくるので、別箸と取り皿を用意して小分けに喰うのが好いと思う。なんでも、箸に附いた唾液があんに触れるとでんぷんを分解してとろみが消えてしまうらしいので、取り分ける箸と喰う箸を分ける必要がある。

このやり方で喰ってみたら、たしかに取り皿のほうのあんは喰っているうちにとろみが失せてしまうのだが、大皿のほうのあんのとろみは最後まで保った。オレはとにかく大食漢で、店に行っても大盛りの焼きそばを直箸で喰っていたのだが、これからはお上品に取り皿に小分けにして喰おうと思う(笑)。

一応、一週間の研鑽の結果、一通り満足の行くやり方を確立した実感はあるのだが、一つの問題点としては、とにかく油物で二鍋、スープで一鍋使うのと、食材の下ごしらえやら調味料の合わせやら取り皿やらで、やたらと洗い物が出来るのが困りものである。これについては、調理中からすでに手や器が空いたら早手回しに洗い物を済ませるしかない。あんかけ焼きそばは炒飯と違って調理後すぐに急いで喰わなくても大丈夫な料理なので、出来上がったら洗い物を片附けてから喰っても好い。

一回目に作ったときには、油とあんがこびりついた鍋が三つにザルとボウルと大皿小皿数枚にトングーやらおたまやらが流し台に山積して途方に暮れたものだが(笑)、これも一週間の経験で大分手際好くなって、喰い始める頃にはすでに洗い物を終えることが出来るようになった。

残る問題としては、四十男が一週間毎日あんかけ焼きそばを一度に二、三玉分喰っていて好いか悪いかと謂うことだが、何にでも犠牲は附き物なのである(笑)。

…よし、今回は炒飯のときよりは大分節度があるからアップしちゃおう(笑)。

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コメント

>>大概の店の味の組み立ては、鶏ガラスープに生姜を加え、具に半分方火が通ったらこれを注ぎ、煮立ったら仕上げに味醂と醤油で味を調える。

わざわざ書き添える必要もないとは思うが、とろみ附けの水溶き片栗粉は最後に入れて満遍なく混ぜる。スープがかなり多いので、強火のまま投入しても他の中華風炒め物のように偏って葛状に固まったり焦げ附いたりすることもないので、とくにコツはない。

投稿: 黒猫亭 | 2008年11月28日 (金曜日) 午前 03時25分

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