しゃばけふたたび
今夜九時から「しゃばけ『シリーズ』」の第二弾が放映されるそうで、すでにいろいろな番組に主要キャストが出演して番宣に努めている。まあ、「シリーズ」と銘打った割りには間が空いたが、曲がりなりにも続編がドラマ化されたのだから、第一作時点の約束は果たしたと謂えるだろう。
CXのサイトで情報を視るに、前回同様今回もそこそこ豪華なキャストで、加えて地上波のドラマとしては時代劇にSFXまでが絡む撮影となれば、それなりにコストと時間が懸かるだろうことは理解出来る。昨今の情勢では、複合的な理由に拠る広告収入激減の煽りで、あのCXと雖も予算削減の大号令が掛かっているそうで、ここ暫くゴールデン・プライムのドラマがテレ東並にしょっぱかったのは、その影響もあるのだろう。
そう謂う意味では、そもそもどう作ってもカネの掛かる原作なので、それなりに期待の掛かったスペシャルドラマと言えそうである。ウチのブログでも、タイミング的に前回のレビューのエントリにちらほらとアクセスがある。
第一弾については好意的な評言を書いたが、原作では第一作の「しゃばけ」以降は連作短編の形式を採っているので、第二弾があるとしたら短編を組み合わせたオリジナルに近い脚本になるのか、それとも残る長編となる「うそうそ」となるかは五分五分と予想した。蓋を開けてみれば常識的な後者の線で落ち着いたようだが、実を謂うとこの作品以降の原作は一作目の時点では文庫化されていなかったので、好い具合に未読である。
今さっき調べてみたら、つい先日の二七日に文庫版が刊行されていたが、これはドラマ化に間に合わせたものだろう。仄聞するところによると、どうも大勢としては他の単行本に比べて一段評価が落ちるようだが、原作者の畠中恵はこのシリーズにおいては一作毎に目先を変えた手法を試したかったと語っており、今回は道中物にチャレンジしてはみたが、何らかの理由でうまくゆかなかったものと見える。
どの辺がうまくないのかは未読と謂うことでハッキリしたことは謂えないが、今夜のドラマ版を観てみれば理由の一端はわかるだろう。詳細なレビューを書くかどうかはわからないが、一応じっくり観てみるつもりではある。
まあ、個人的な事情ではあるが、このシリーズの第一作のレビューがきっかけでニセ科学批判に関心を持つに至り、それに関係した言論をおよそ一年近く継続的に展開してきたのだから、第二弾の放映と聞いてちょっとした感慨がないでもない。
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コメント
もう1年ですか。
ぼくも「うそうそ」は未読です。
この時期は週末の夜はドラマを見られません(^^;。
投稿: pooh | 2008年11月29日 (土曜日) 午前 06時50分
>poohさん
>>もう1年ですか。
早いもんですねぇ、一年なんて。ちょっと日付を視てみたら、厳密には一年以上になるようです。最初のレビューのエントリーの日付が一一月二五日の日曜で、その前日が放映日です。ただ、放映枠は同じですから、一年後の同週と謂うのが律儀ですね。
最初のレビュー後、一カ月くらいの間に文庫化済みの原作を一通り読んで語ったエントリの余談として触れた「疑似科学」批判について、poohさんから言及TBを戴いたと謂う経緯になりますね。日付を視ると、まさにクリスマスイブで、そんな日に何をやっていたんだろうか、つくづく暇人だよなぁ、とかなり呆れましたが、どうせ今年のクリスマスも同じようなパターンになるでしょう(笑)。
>>ぼくも「うそうそ」は未読です。
手許不如意と謂うこともありますが、単行本にはあんまり手が出ませんよね。オレの場合は、自宅で本を読もうとすると必ず邪魔する連中がいるので、移動中か外出先でないと落ち着いて本を読めないと謂う理由で、最近は車中の読書でも周囲の顰蹙を買わない文庫本オンリーに近いですね。世の中には、込んでいる電車の中で大判の女性誌を堂々と拡げて読んでいるご婦人も普通にいらっしゃいますが(笑)。
まあ、大極宮ほどではないにせよ、畠中恵も出せば売れる作家の一人ですし、増刷もあるでしょうから、文庫化を待っても罰は当たらないと思います。それにしても文庫版の二五日発売ってのはあざといよなぁ(笑)。まだ買ってはいないんですが、ネタバレを気にしない人間なんで、ドラマを観てからでも好いかな、と。
追記:「二五日発売」は「二七日発売」の間違いですね、本文で書いておいて何やってんだか(笑)。
投稿: 黒猫亭 | 2008年11月29日 (土曜日) 午後 02時23分