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2009年4月18日 (土曜日)

ブランチでマクロビ

例によってバラエティ番組のニセ科学関連情報を漫然と速報。

本日の王様のブランチでマクロビオティックが紹介され、「話題騒然、今大人気のマクロビオティック」「主食は玄米で、野菜や豆などの食材を体調に合わせてバランス良く食べるのが基本的な考え方」「日本発祥のものながら海外のセレブにも大人気」「世界のスティービー・ワンダーも認めるマクロビオティックの魅力とは」と謂うことで、原宿の専門料理店を紹介した。入り口の巨大な木製看板に緑文字で「自然食」と謳っているのが「如何にも」である(笑)。

オーナーシェフの語るマクロビオティックのおすすめポイントとは、「新陳代謝がよくなる」「お肌がきれいになる」と謂うもので、「毎日の玄米食で三カ月くらいで結果が出てきますね」と謂うことだそうな。

これはまずいよなぁ。番組の説明を聞いただけでは、栄養学的…と謂うか科学的に根拠のない思想的・宗教的な健康法であると謂うことがわからないし、重大な健康リスクがあると謂うことを註釈しないのは、後で健康被害が出た場合、相当まずいことになるんではないかと思う。

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コメント

>>例によってバラエティ番組のニセ科学関連情報を漫然と速報。

これ、最初は「ニセ科学」って書いちゃったけど、マクロビオティックはニセ科学ではないよな、厳密に謂えば「非科学」だろう。まあ、近縁の情報と謂うことで。

投稿: 黒猫亭 | 2009年4月18日 (土曜日) 午前 11時55分

黒猫亭さん、こんにちは。
当該番組は見ませんでしたが、フーディーズTVでも時々「マクロビ」プログラムを見かけます。服部幸應のポッドキャスト『食育の時間』でも、食育と絡めてマクロビを持ち上げていました。身土不二・一物全体・陰陽学を持ち出さずに、オーガニックを強調するイメージ戦略がマスコミ受けしやすいのだと思います。
ホメオパシーとよく似た構図ですね・・・・_| ̄|○

投稿: うさぎ林檎 | 2009年4月18日 (土曜日) 午後 03時19分

>うさぎ林檎さん

長いものを書いていて気附くのが遅れました。公開処理が遅れてすいません。多重投稿になっていたようなので、一番後の書き込みを公開しておきました。

>>身土不二・一物全体・陰陽学を持ち出さずに、オーガニックを強調するイメージ戦略がマスコミ受けしやすいのだと思います。

王様のブランチは毎週最後まで録画しているので(笑)、遡ってよく観てみたら、今週はこのグルメコーナー自体が代々木公園の「アーステイ東京2009」グルメ会場からの中継企画で、「エコグルメ」と銘打って会場に出店しているレストランのオーガニック食品や雑穀グルメを紹介していて、マクロビオティックの前にはヴィーガニズムも紹介しているんですよ(笑)。

http://www.earthday-tokyo.org/
http://www.earthday-tokyo.org/2009/event/place/kitchen.html

ヴィーガンのほうの紹介も、説明を聞いた限りでは純菜食主義が思想的なものだとわかるようなものではなく、動物食を一切摂らないことが卵や牛乳や魚介を摂る半端な菜食主義よりも健康に良いと誤解し得るような内容だったので、こっちも相当ダメだなぁと思っていたんですが、その直後にマクロビオティックだったものですから、そちらをメインに紹介しました。

いやもう、アースデイみたいな一般ウケの好い大義名分のイベントでこんなことをやらかすのは大変困りものですね。

投稿: 黒猫亭 | 2009年4月18日 (土曜日) 午後 07時38分

すいません、すいません。
>コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。
に気付くのに時間が掛かりました(アホや)。

投稿: うさぎ林檎 | 2009年4月18日 (土曜日) 午後 09時01分

>うさぎ林檎さん

いや、お気になさらず。承認制であることをもっとわかりやすくどこかに書いておければ好いのですが、ココログの仕様だとちょっと無理っぽいので、こちらが申し訳ないくらいです。

投稿: 黒猫亭 | 2009年4月18日 (土曜日) 午後 10時21分

こんばんは。

こういったものには、「西洋化する日本の食」に対するアンチテーゼといった思考があるんでしょうが、米食中心による実はカロリー重視の偏った食事(つけ物だけで何杯もおかわりするような)であったために平均寿命が短かったとも言える昔の日本の現状に気づいてないのかわざと無視しているのかそんな感じがありますね。

日本の食に「西洋文化」を一部取り入れて、でも完全に西洋化せず上手くバランスさせている今の「日本の食文化」が寿命を延ばしている要因の一つだと思うんですけど。

投稿: がん | 2009年4月19日 (日曜日) 午後 08時07分

>がんさん

>>こういったものには、「西洋化する日本の食」に対するアンチテーゼといった思考があるんでしょうが、米食中心による実はカロリー重視の偏った食事(つけ物だけで何杯もおかわりするような)であったために平均寿命が短かったとも言える昔の日本の現状に気づいてないのかわざと無視しているのかそんな感じがありますね。

そう謂う部分も確実にあるんではないかと思います。何かこう、現代日本の食生活は非常に不健康だと謂うような印象はあるでしょうね。そう謂う部分もあることはあるんでしょうが、寧ろ和食一辺倒だった頃に比べると遙かに国民は健康になっていると謂う側面のほうが圧倒的に大きいと思います。

別エントリに書いたように、今は落語がマイブームなんですが、江戸時代や明治初頭の日本人の食生活を視ると、たくあんや塩鮭の塩気でとにかく飯を喰うと謂うのが普通の食事だったみたいですから、それは長生き出来なくて当然でしょう。

オレはどうも一般的な和風の家庭食がそんなに好きではない(いや、決して嫌いじゃないんですよ)のですが、それはとにかく飯を喰うことが芯になっていて、その為に味の濃いものを喰うと謂う組み立てになっているからで、魚もそんなに嫌いではなくて刺身や寿司も喰うんですが、ああ謂う歯応えのないものを喰ってもちゃんと食事をした気にならないのですね。

では、白飯が好きではないのかと謂うとそんなことはなくて(木亥火暴!!)、人の倍くらい喰うのですが、副食もがっつり喰った実感がないと不安になると謂うところがありますね。独り暮らしが長いので、白飯だけ喰っていると栄養が偏って拙いことになると謂う強固な不安がありますから(笑)。

やはり、豚肉や乳製品をはじめとする動物食を摂るようになって日本人の食生活が遙かに改善された部分はあると思いますし、仰る通り、西欧風のアレンジを経た現在の日本食はかなり健康的だと思うのですが、肉しか喰わないとか油物やジャンクばかり喰うとか、要するに簡便性からの偏食の蔓延が不健康なんだと思います。食育と謂うのは、寧ろそう謂う食習慣に関して行われるべきなのではないかと。

どうも現在の状況では、食育の錦旗に託けて個人の思想や情念を押し売りしたり、変な商売気の口実にされている嫌いがあるように思いますね。美味しんぼなんかも、美食を科学的な視点で視ると謂う視座を提供した功績はあると思うのですが、理不尽な化学調味料忌避やオーガニック礼賛が、果たしてまともな食育と謂えるかと謂う問題があると思います。

本題のマクロビやヴィーガンに関しては、売る側のメインの動機としてはやはりマーケティングの問題が大きいのではないですかね。エコとかロハスとかオーガニックとか、その辺のイメージ商売がやりやすい。所詮は商売の都合なんだと思います。

或る種、マクロビオティックやヴィーガニズムと謂うのは思想的なものですから、科学的な根拠云々と謂う視座で捉えるよりも、伝統的な非合理批判の観点で視たほうが好いのかとも思いますね。マクロビやヴィーガンの信奉者が自分の子供をそんな食事で育てるとなると、やはり一種の人権問題にも発展するのかな、と。自然食ブームの頃もそう謂う問題がありましたよね。輸血拒否なんかとも関わってくるような問題でしょう。これはニセ科学と謂うより、非合理な個人的信念なんだろうと思います。

しかし、それをヘルシーやエコやロハスと謂う看板で売ると、そこからニセ科学の領分にも入ってきますよね。そもそもこれらは、本来的にはヘルシーでもエコでもなくて信念や思想の問題であるわけですから、それをヘルシーの看板で売るのは、恰も栄養学的根拠があるかのような印象を装って売っていると謂う解釈も可能です。

なので、今回の問題はTV番組で紹介したと謂うこともさりながら、アースデイの正規の企画としてオーガニックレストラン的なブースがあって、そこで推奨していると謂うところにも相当問題があると謂うことじゃないかと思います。

投稿: 黒猫亭 | 2009年4月19日 (日曜日) 午後 10時58分

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