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2009年4月10日 (金曜日)

統一感

いよいよ明日本日公開と謂うことで、「レッドクリフ Part II」の番宣攻勢が激しくなってきたが、日頃拝読している「映画館ブログ」の記事によると、パート1の成功を受けてエイベックスの鼻息は相当荒いものがあるらしい。

パート2映画でパート1以上の収益を見込むと謂うのもかなり強気の商売だが、「パート1との差別化をしっかり行う」と謂う戦略に、最近になって突如捻り出された変なサブタイトルの由来があるのだろう(笑)。

エイベックスの商売と謂う観点ではここはしっかりコケて欲しいところだが(笑)、映画への期待値から言うと是非当たって欲しいので、何とも微妙な気分ではあるが、まあこれは余談の類である。

かねてよりパート2では別の主題歌を充てると謂う話ではあったのだが、番宣で頻りに流れている「久遠の河」のサビを聴くと、以前「心・戦」について語ったような音楽設計がやっぱり徹底されているのだなぁと感じた。

つまり、このサビの旋律は以前のエントリで「同盟軍のモチーフ」と仮に呼んだ旋律の変奏だから、二部構成の映画の二曲の主題歌は完全に劇伴の主旋律とモチーフが合致しているわけである。こう謂う劇伴の設計は、歌謡曲映画のような既存楽曲主体の作品でもない限りあまり一般には視ない形式のコンセプトである。

この場合、主題歌のモチーフで劇伴が構成されていると視るべきか、劇伴のモチーフで主題歌が構成されていると視るべきかと謂う主客の弁別と謂うのは、あまり意味がないだろう。以前も語った通り、これはエイベックスが制作に参画していることと密接な関係があるだろうし、要するに音盤商売絡みのコンセプトではあるわけだが、だから宜しくないと謂う話でもない。

実はオレは、映画の主題歌と謂うのはあんまり好きではなくて、たとえば押井守辺りは自分の映画にヴォーカル曲を附けるのが好きではないと謂う話もあるが、近年の映画一般では抱き合わせ商売的な商売の都合の側面ばっかり目立って、映画本編の観賞後に流れると雰囲気が毀れて興醒めするような主題歌ばかりだったように思う。

とくに中華圏の映画などは国内では主題歌の扱いがぞんざいで(笑)、まあ中華圏の著名歌手や主演俳優が歌った楽曲が国内では一般ウケしないだろうと謂う判断もわからないではないが、配給会社の音楽部門の都合でどうでも好い楽曲を圧し附けられるパターンが多かったんではないかと思う。

しかし、レッドクリフの場合は音楽メインの会社が制作に噛んでいることがプラスに働いているように思う。楽曲も「如何にもエイベッ糞」調ではないし、劇伴全体に統一感が生まれ、主題歌で〆る音楽の段取りに必然性が出ると謂う効果もある。その一方ではそれってコンセプト的にはライダーやアニメにおけるエイベックスの方法論とあんまり変わらないのではないかと謂う気持ちもあって(笑)、どうもこの会社が絡むと微妙な気分になってしまう。

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コメント

おはようございます。

念のため公式を見てみましたら、公開は本日からのようでございますよ。有楽町では生ウー先生が舞台挨拶なさるとのことですが、ナマ林さんは残念ながらいらっしゃらないみたいです。

音楽にも読み解くべきものが多々あるのですね。しかし主題歌が全く思い出せませんcoldsweats01イヤな客だなあ。

投稿: 604 | 2009年4月10日 (金曜日) 午前 08時38分

>604さん

>>念のため公式を見てみましたら、公開は本日からのようでございますよ。

確認してみたら本当にそうだったので、早速修整しておきました。まあ、ウチのレベルのアクセスだったら、初日の動員にまったく影響はないとは思いますが(笑)。

>>音楽にも読み解くべきものが多々あるのですね。

映画は現代の総合芸術ですから、関わりのあるすべてのジャンルを総合的に俯瞰するのが理想的だとは思います。オレももっと音楽に詳しかったらさらに踏み込んだ話も出来るのですが、普通以上のことは識りませんのでこのくらいの話と謂うことで。

スカしたことを謂うと、限られたモチーフを展開することによって全体の劇伴を構成すると謂うのは、川を巡る物語と謂う共通項を持つ「ニーベルンゲンの指環」(こっちはライン川ですが)辺りの影響もあるのかな、とかちょっと思いましたけれど、素人考えの域は出ませんね。

エントリで劇伴の話を書いているときも、学生の頃に借金してショルティ版「指環」全曲LPボックスを買ったら、そのうちの一枚が特典ディスクみたいな形で、指環のライトモチーフを語りと演奏で解説するものだったことを想い出したりしました。

何でも序夜に当たる「ラインの黄金」前奏曲の導入部の簡単なモチーフをいろいろ組み合わせたり変奏することによって指環全体のライトモチーフ群が形成されているそうなんですが、結局実演附きの解説を聞いてもよく理解出来ませんでしたので、スカした引用はやめときました(木亥火暴!!)。

ショルティの口から「これの前半とこれの後半を合成して調子とリズムをこれこれに変えるとこのモチーフになります」とか説明されても全然わからんので、あんまり音楽のことは具体的にわからない人間なんだなと諦めました(笑)。

投稿: 黒猫亭 | 2009年4月10日 (金曜日) 午前 09時17分

差し出がましく余計なことを申したようで、失礼致しました。

実は「ナマ林さんに萌えた」にツッコミを入れようかと思っていたのですが、ちょっとタイミングを逃しcoldsweats01。プロモのことをすっかり忘れておりましたのは痛恨でした。

音楽はどうも記憶から剥落しており。何となく太鼓を多用したテーマ曲だったような気がして公式トップで音を聞いたら、全然太鼓じゃなかったcoldsweats02。そんな人間ですので音楽理論やら楽曲分析やらはもう馬の耳に念仏でございます。しくしく。
PartⅡでは少し意識して音を聞くようにしてみたいと思いました。

映画レビューの方も楽しみに致しております。

投稿: 604 | 2009年4月11日 (土曜日) 午前 01時23分

>604さん

>>実は「ナマ林さんに萌えた」にツッコミを入れようかと思っていたのですが

ナマ林さんは可愛いですよ、かなりデカいですが(笑)。パート1でも周瑜に子供の心音を聞かせる場面で、何だか無闇に腹筋の堅そうな腹を見せていてちょっと色気がなかったですが(笑)、やっぱり顔立ちに雰囲気があります。

>>音楽はどうも記憶から剥落しており。何となく太鼓を多用したテーマ曲だったような気がして公式トップで音を聞いたら、全然太鼓じゃなかった

いや、あながち間違った記憶でもないですよ。タイトルロールの楽曲にはたしかに太鼓がそれほど使われていないですが、戦闘場面では太鼓やパーカッションを多用した楽曲が使われていましたし、終盤の鳩が飛んでサカーになる場面の楽曲は、劇中で軍鼓を打ち鳴らしていてそれが楽曲にも組み込まれていますから、太鼓の印象が残るのは自然だと思います。

この手の「中華古装片のアクション映画には太鼓」と謂うイメージと謂うのは、どうもグリーン・デスティニーの譚盾辺りからの流れなのかなと謂う気もしますが、川井憲次の「セブン・ソード」の劇伴もかなり太鼓を多用した音楽でした。やはり近年の中華アクションに特徴的な重量感のある肉弾戦の劇伴としては、重い打撃音がマッチすると謂うことなんだと思いますが。

それから、このエントリを書いた後に「久遠の河」の楽曲を購入して聴いてみたんですが、パート1の「心・戦」よりもわかりやすく盛り上がるので、こっちのほうが好みですね。本文で書いた以上に全体の劇伴との統一感が強くて、楽曲単体としてもよく出来ていると思います。今度カラオケに行く機会があったら、両方歌ってやろうと狙っております(笑)。

楽曲としては、中国語版よりも日本語版のほうが好きですね。歌っている阿蘭と謂う人は、日本ではチベットフェイクと謂う独特の高音の発声(裏声ではなく地声で高音を発声するチベット民謡独特の発声法だそうです)で有名なんですが、「心・戦」でも「久遠の河」でも、日本語版にはチベットフェイクが入っているのに、中国語版には入っていません。

これは、チベット色をあんまり全面に出すと中国人視点ではチベット問題を想起させるのがセールス的にまずいんじゃないかと謂う判断では、と謂うような見方もあるようですが、それは「とくダネ」のオヅラさんの意見だそうなんで(笑)、本当のところはよくわかりません。

EPは日本語版の「久遠の河」と中国語版の「赤壁 〜大江東去〜」のカップリングになっていて、それぞれの楽曲のインストと「心・戦」の日本語版・中国語版が入っていますから、「心・戦」だけのCDを買った人には不満なんじゃないかと(笑)。

日本語版と中国語版は、注意して聞き比べてみると、ちょっと中国語版のほうの音程が高いようで伴奏のキーが違います。言葉の問題を差し引いても、日本語版のキーのほうが若干歌いやすいように思います。

これは、「Fate」の主題歌の「This Illusion」と「disillusion」の違いみたいなもんでしょうか(木亥火暴!!)。

投稿: 黒猫亭 | 2009年4月11日 (土曜日) 午前 02時33分

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