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2009年7月 9日 (木曜日)

ポップ王のテラス

そろそろ話題も沈静化した頃なのでこっそりと。

オレがマイケル・ジャクソンを語ると謂うのもあんまり唐突だが(笑)、まあ彼についてはこれまでまったく興味はなかったし、何の思い入れもないことは事実である。ただやはり「皮膚の色を白くしている変なアフロアメリカン」とか「整形マニア」「真相は不明だがもしかしたらペド」みたいな一般的な偏見はあったことも事実である。

今般の報道ラッシュで、更めてその辺のことを調べてみようかと思ってウィキの項目を読んでみたのだが、上記のようなイメージはおそらく偏見にすぎないのではないかと謂う感触を持った。おそらく、変なヒトであったことは間違いないが、それはあまり幸福とは謂えない生い立ちや、トップスターであり億万長者である地位を考えるとそれほど不思議なことではない。

小児性愛者であったのかどうかについては、断定出来るのかどうかはわからないが、一回目の訴訟は和解で決着しているもののどうやら仕組まれたもののようだし、二回目の訴訟についてもすべての訴えについて無罪となっているのだから、その判決を覆すような何らかの情報がないのであればそうではないと視ておくのが妥当だろう。犯罪でさえなければ、他人の下半身の事情など興味を持って勘繰るべきではない。

また、皮膚の色についてはこれまでも「皮膚病治療の為」と謂う理由は語られていたのだが、尋常性白班についての知識がなかったので「黒人があれだけ白くなるような皮膚病なんてあるものだろうか」と疑問に感じていたのだが、よく調べてみると「尋常性白班」と謂うのは「白なまず」のことだそうな。

これは日本でも結構ある病気であるらしく、日本では先頃国民栄誉賞を受賞した森光子が同じ病気だと謂うことで、そう謂えばいやに色白な印象があるが、昔は色黒だったそうである。昔の新聞広告を集めた本で、「ナマズを退治する」と題して女性が長柄の得物で巨大なナマズを退治しているイラストを描いた薬の広告を見たことがあるが、「なまず」と謂うのはナマズの腹のような斑が出来ると謂う意味の俗称である。

病理的には、皮膚のメラノサイトが斑状に破壊されそれが全身に拡がる自己免疫疾患だそうで、未だ決定的な原因が特定されておらず、気長に光線治療を受けるしかないそうである。ちなみに、似たような俗称の「黒なまず」と謂う皮膚病があるのだが、これは癜風とも謂って、皮膚の常在菌によって前胸部や背中に茶色と白色の斑が出来る病気であるから「白なまず」とはまた違う病気で、「白なまず」ほど珍しい病気ではないようである。

マイケル・ジャクソンの場合、随分若い頃から全身に色素の欠損した白班が広がっていたらしく、最初はこれを黒のファンデーションで隠していたが、徐々に白班が拡がるに連れて白いファンデーションで隠すようになったと謂うことである。これは性的疑惑事件の際に少年が彼の性器の白班を見たかどうかを確認する必要が出てきて、警察が公式に確認している事実らしいので、そのように視るのが妥当だろう。

この説明を読んでオレが連想したのは「バットマン」のヴィランであるジョーカーなのだが、白人や黄色人種でもかなり目立つ病気なのに、黒人で、しかもショービズのトップスターなら尚更隠したくなるのが当然だろうと思う。

そう謂う事情であれば、メイクで白くしているのか残りの皮膚を脱色したのかそれとも病気が進行して黒い部分がなくなったのかなどの細部はどうでも好い話であるし、公に細かく説明するようなことでもないことは理解出来る。肝心なのは、病気が進行してくるに連れて、元々の黒い部分を基準にするより病気による白い部分を基準にせざるを得なくなってくると謂うことである。

整形については、これは検死報告で「無数の整形痕」と記述されているのだし本人も何度か整形したことは認めているのだから、疑いの余地のない話であるが、どうもその契機となったのは、ステージで転倒して鼻を骨折したことらしいと謂うことで、どうも本人には不幸な幼児体験からの醜形恐怖症があったのではないかと謂うことである。これほど不必要な整形を繰り返すのは一種の神経症の部類だろうとは思っていたが、その背景に父親からの虐待や皮膚病があったのだとすれば、それも無理のない話だろう。

また検死報告でショッキングだったのは頭髪が殆どなくかつらを着用していたと謂う事実だが、これは年齢を考えると自然な脱毛と謂うより、やはり例のペプシコーラの広告撮影の際に頭部を火傷したことが原因ではないかと思われる。もしそうだとすれば、この事故は一九八四年のことだと謂うから随分大昔の話で、公には大事に至らなかったと説明されているから、四半世紀の間ずっと真相を隠していたわけである。

こうして更めて調べてみると、何だか他人事ながら怖くなってきた。全世界の注目を浴びるトップスターであり億万長者でありながら、ステージ上の華やかな姿の陰では加齢とは別の理由に基づく容貌の毀損が徐々に進行していたことになる。或る意味、これではたしかに幾らカネがあっても長生きは出来なかっただろう。

前述の通り、オレとマイケル・ジャクソンの生涯は殆ど無関係であったわけだが、マスコミで名前が出る度に「気味の悪い奴だ」と謂うイメージは覚えていたわけで、これが謂われなき偏見であるなら、今更積極的に衷心からその死を悼むほどの動機は持てないものの、これまでの不当な認識を改めるべきだろうと思った。

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