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2009年10月14日 (水曜日)

いわゆる一つの2K問題

大分前のことなので、そのときに言及するつもりでいて、政権交代のどさくさでそのまま取り紛れていたのだが、すでに皆様ご存じの通りCX「ニュースJAPAN」のキャスターが、九月一杯で滝川クリステルから秋元優里に交代した。

この番組の後の「すぽると!」のほうは火曜と水曜だけ毎週観ているのだが、別段滝クリのファンでもないので、その前のニュースJAPANはとくに観ていなかった。であるから、滝クリがキャスターを降板したからと謂って特別な感慨はないし、共同テレビを退社して別のプロダクションに移籍したと謂うのも、そっちのほうがフジ縛りがなくて好いんじゃないかと思うくらいである。

交代要員の秋元優里も、入社当時から報道志向一本槍だったわけで、同期の本田朋子や松尾翠と違ってバラエティや情報番組には殆ど出演しておらず、スーパーニュースのレポーターのような地味な仕事に徹していて報道一筋に賭けてきたわけだから、これ自体はまあ妥当な人選ではないかと思う。

CX公式のコンテンツに直リンすると怒られるようなのでリンクは張らないが(笑)、アナウンサープロフィールの写真なんか見ると何だかオバサンくさい写り方をしているのだが、動いているのを見ると変な色気があってオレは嫌いではない。

たしか入社した年に一度めざましの夏休み交代要員で出演したのを見たのが初めてだと思うが、そのときも割合好感を覚えた記憶がある。本田や松尾の派手な活躍の陰に隠れて存在そのものを忘れていたのだが(笑)、改めて見ると案外悪くないじゃないかと謂う印象を覚えていた。であるから、新キャスターの秋元にも別段不満はないし、寧ろバタ臭い滝クリよりもタイプとしては好きかもしれないと思う。

ただ、この交代劇にはやっぱりいろいろ裏があるようで、たとえば同局の長谷川豊アナがCSの番組で新キャスターの秋元を持ち上げ、滝クリのことを「この間までやってたガイジン」呼ばわりをして問題になったりしたわけだが、勿論この場合に最も問題なのは「ガイジン」と謂うのが差別用語だと謂うことである。

「こいつも、あのー、この間までやってた外人より、ずっと上手いですからね。あの、ちゃんと現場の事よくわかってますし。よく取材に行って、勉強してますから。こいつのニュースJAPAN、たぶん良いと思いますよ」

この間までようつべに動画があったので実際に映像でも見てみたのだが、身内贔屓にもせよ社員アナを持ち上げて子会社出身のアナを貶めているのだから、受ける印象はかなり悪いことは事実である。字面だけ見ると冗談めかして言っているようにも見えるのだが、映像で観ると普通に悪口のテンションで言っている(笑)。

滝クリよりも秋元のほうが「ずっと上手い」と謂う文脈上で、「ちゃんと現場の事よくわかってますし。よく取材に行って、勉強してますから」と続けると、要するに滝クリのほうは「現場のこともよくわかっていないし、あまり取材に行っていないし勉強もしていない」と謂うふうに聞こえてしまう。そう謂う意味では、「ガイジン」と謂う差別用語よりも、何だか異様に滝クリに悪意があるように聞こえ、そっちのほうがよほど問題なんではないかと謂うふうに思う。

フジテレビワンツーネクスト運営部によれば、この番組は出演したアナウンサーに様々な出来事をフランクに話してもらうという構成。長谷川アナは滝川さんを攻撃するという思いはなく、いろんなフジの女子アナを紹介しているうちに出てしまった言葉だと説明した。フジテレビのアナウンサーはみんな仲が良く身内意識が強い。そうした中で行き過ぎた発言が出てしまった、とし、

「外人は不適切な発言であり、この発言が出たときにすぐに訂正すべきでした。番組の制作サイドも反省しておりまして、番組の視聴者や不快になられた方に本当に申し訳ないと思っています」

と話している。ただ、長谷川アナの謝罪の予定はないという。

けっこうひどい話だなぁ、これ(笑)。よしんば滝川クリステルが本当に外国人だったとしても「ガイジン」呼ばわりはまずいと謂うのに、この人は単にフランス人の血を引いているだけで歴とした日本国籍である。そもそも「滝川クリステル」と謂う名前すら本名ではなく「滝川雅美」と謂う立派な日本名があるのに、「会社の方針で」そのよう名前に変えられたわけである。前掲のウィキの記述によると、

新人アナウンサー時代は和名の滝川雅美で活動していたが、容姿に対する問い合わせもあったことなどから会社の方針でハーフを強調した名前に変えた。

これもけっこうひどい話である。芸能人じゃないんだからアナウンサーに「芸名」を名乗らせると謂うのもどうかと思うし、「ハーフを強調した名前」と謂うのも、何だかいろいろな意味でかなりひどい。

また、ウィキに説明はあるが、この場でも改めて説明しておくと、この人はフジテレビ本社の社員ではなく、その子会社の共同テレビの社員アナウンサー出身である。そう謂う意味では、「フジテレビのアナウンサーはみんな仲が良く身内意識が強い。そうした中で行き過ぎた発言が出てしまった」と謂う説明もけっこうひどい。

要するに、秋元優里はフジテレビの社員だから身内だが、滝クリは子会社の社員出身のフリーアナだから身内ではないので、身内贔屓が過ぎて余所者を叩いてしまったと謂うニュアンスにとれる。

そうだとすると、「ガイジン」と謂う差別用語を口にしたことについては謝ったが、身内贔屓で外部の人間を貶めたことについては、「行き過ぎだった」と説明しただけで何も謝っていないわけで、何だか釈然としない言い分である。

どうも滝クリが入社した二〇〇〇年度は、フジテレビ本体だけではなく子会社の共同テレビでも新人アナを社員として採用して活用すると謂うことが試験的に行われていたらしく、それまで同社ではフジテレビやFNN系列各局を退社したアナウンサーのマネジメントを行うことはあったが、新人社員アナウンサーを採用して一から育成活用すると謂う業務はこの年度に初めて行われた。

勿論、共テレには新人アナウンサー育成のノウハウがないから、最初の三年間はフジテレビに研修出向と謂う形を採っているわけであるが、たしか表向きは三人とも「フジテレビの新人アナウンサー」と謂う形でお披露目があったように記憶している。

であるから、ウィキの記事をみて戴ければわかるように、滝クリの同期アナは共同テレビとフジテレビの同期が併記してあって、つまり、この年度はフジテレビ専属の新人アナが両社併せて六人も採用されたわけである。

共テレの同期二人はどちらを受けたのかはウィキに記述がないが、たしかオレの記憶では、相川梨絵は「局よりも倍率が低かったから」と謂う理由で共テレを受けているし、安藤幸代も共テレを受けていたと謂う記憶があるが、滝クリだけはフジテレビの採用試験で一旦落とされてから共同テレビに廻されている。

フランスパリに生まれ、3歳で日本へ。小学校6年生の時、父親の転勤で再び渡仏。約1年間滞在し日本へ戻る。東京都立青山高等学校、青山学院大学文学部フランス文学科卒業後、2000年フジテレビを受験し、最終選考まで残るも不合格となる。

だが、他社に入社させるには惜しい人材という事で、系列の共同テレビに入社。安藤幸代(現ハーモニープロモーション)、相川梨絵(現セントフォース)とならび、同社にとっては新人を社員アナウンサーとして採用した初めてのケースとなった[1]。

…つか、本社採用しないんだったら素直に他社に入社させてやれよ(笑)。日テレかテレ朝に入っていても好い線まで行っていたかもしれないじゃないか。まあ、TBSだけは一押しのアイドル女子アナ以外は飼い殺しだから避けたほうが好いだろうし、テレ東に入っても経済ニュースを読まされるか卓球トーナメントの咬ませ犬として扱われるだけだろうが、本社社員か系列子会社の社員かで待遇は全然違うだろうから、本社で採用しないなら他局に行かせるのが本人の為だろう。

思うに、この年度は共同テレビが新人を採用すると謂う受け皿があるから、採用枠を遣り繰りしたりしなくても、共テレ預かりと謂う形でオマケの一人くらい余分に確保出来ると謂う読みがあったんではないかと思う。そうでもないと、政井マヤと滝クリの両方を採るのでは「ハーフの女子アナ」が被ってしまうわけで、フジテレビはどうやらキャラの被る新人は採らない方針らしいので、どちらかを落とすしかなかったわけである。

随分前にこの記述を読んだときも、何だか「嫁に貰うのは不都合だが、他人にとられるのも厭なので間をとって愛人にしました」みたいな勝手な理屈なんだから(笑)、かなり不自然な記述だなぁとは思ったんだが、本人が納得しているんなら他人がとやかく言うことでもないだろうと思ってサラリと読み流していた。

しかし、どうやら今回の交代劇の背景には待遇面の不満があるんではないか、みたいな噂があるようで、フジテレビの同期である政井マヤとは今でも親しいらしいから条件面の格差は筒抜けだったろうし、どうやら年収に数倍の開きがあるようだから、釈然としない気持ちがあったとしても不思議ではない。まあ、それでも数千万円台の話だから庶民の感覚とは違うわけだが(笑)、フジの側でもそれなりの額を提示したのだが折り合わなかったので今回の交代劇に繋がった、と謂うような噂である。

現在の所属は、フジ、共テレ、セント・フォースが共同設立した新事務所のフォニックスと謂うことになるわけだが、滝クリ以外だと八木亜希子と小島奈津子と謂う歴代フジテレビの顔とも謂うべき大物女子アナたちが所属しているそうである。

要するに共テレ所属だった高額ギャラの大物アナウンサーの受け皿として設立された事務所で、セント・フォースのほうの他の所属タレントは他に誰も移籍しないそうだから重々不審な事務所で、実質滝クリ問題の解決策として設立された事務所ではないかと謂う憶測がある。昨年一〇月の移籍と謂うことで、ここで一旦条件面のベースを上記二人並に引き上げて滝クリ側の希望に応えようとしたが、さらなる要求に対して折柄の経費削減の流れで応じることが出来ず、今回の降板に繋がったと謂うふうに噂されている。

おそらく詳しい事情を聞いてみればどっちもどっちと謂う部分はあるんだろうし、現在の滝クリ人気はニュースJAPANで最大限魅力的にフィーチャーされたことによるものなのだから、フジの側でも十分誠意を尽くしていると謂うつもりはあるんだろうが、最初に足許を見て冷遇したのはフジテレビのほうなんだし、同じような仕事を同じようにしているのに、本社と子会社で採用が別れたと謂うだけで待遇面で数倍の開きが出たら、それは誰だって屈辱を感じるのが自然だろう。

これが相川梨絵辺りなら、最初から「倍率が低かった」と謂う理由で共テレを受けているんだから、熾烈な選抜競争を回避して採用の確実性を選択したと謂う意味で待遇面で格差があっても仕方がないが、滝クリはフジに入るつもりで受けたのに、本社採用を落とされた上で条件を下げて子会社に廻されたわけだから、そもそも納得が行かない部分はあったんではないかと思う。

これらの事情を踏まえて前述の長谷川豊の発言を見ると、無意識のうちに共テレ組の余所者の滝クリを見下す気持ちがあったんではないかと勘繰りたくなるところで、おそらく待遇面で揉めた末の降板と謂う裏事情を識った上での、社員視点における反感と謂う動機もあるのではないかと思う。

現在の仕事に満足していて愛社精神の強い企業人から見れば、自社がコストを払って製作した番組でちょっと人気が出たからと言って、カネで揉めて番組を降りて移籍するような子会社の人間には反感を持っても仕方ないが、まあ、みんながみんな最初から納得の行く扱いをされているわけではないんだよ、と謂うことだろう(笑)。

最初から共テレを受験しているなら本人の選択による自己責任と謂う話だが、本社を受けたのに不採用で系列子会社に廻されたのだから、ベースの違いは実績や貢献の違いではなく、出発点における本社視点の判断による資質の差だと謂うことになる。これは本人にしてみたら納得が行かなくて当たり前だろう。

本社の正社員でもフリーランサーでもない系列子会社の社員が実績を積んだ上でベースアップを考えるなら、実績が伴ったところで移籍するしかないのは当たり前だし、そもそも主役級の人材として活用するつもりなら最初から本社採用しておけば好かった、出発点で企業の側が判断を誤ったと謂う話にしかならないだろう。

殊に、華やかなキャラクター性だけで採用した千野志麻やキャラ被りを勝ち抜けた政井マヤのほうが、まあ見方にもよるが会社に対してさしたる貢献もせず長持ちもしなかったことを考えるなら、滝クリの去就に関してはフジテレビのほうで「売ってやった」と謂う貸しはあるにせよ、そうそう強いことも言えないだろうと思う。

そもそも共テレのほうでフジ専属の新人アナウンサーを採ると謂う試みも、相川梨絵や安藤幸代の扱いを視るなら、本社採用したアナウンサーが必ずしも一線級で活躍するわけではないと謂うことで、二線級の人材を低いベースに抑えて活用したいと謂うしょっぱい算盤勘定の目論みだろうし、この年度限りになっていることを考えるとあんまり上手くは行かなかったと謂うことだろう。

この方向性の役割は、結局現在セント・フォースが担っているわけで、共テレのほうで社員アナウンサーを活用する旨味は、フジにも共テレにもあんまりなかったと謂うことではないかと思う。相川はセント・フォースに移籍したし、安藤は本社組の千野や政井と同じハーモニープロモーションのほうに移籍したわけで、共テレのほうでは実質マネジメント契約者のみで社員アナウンサーはいないらしい。

今回のキャスター交代劇を時系列で俯瞰するとそう謂う流れになるわけで、煎じ詰めればフジの二〇〇〇年度の人事戦略の躓きが九年経ってようやく最終的に精算されたと謂う話になる。相川梨絵も入社年度にセント・フォースが現在のような地盤を固めていればそっちのほうを入り口としただろうし、安藤幸代のほうも退社後の千野や政井と合流するのが相応なポジションの人物である。

フジ・共テレの二〇〇〇年度組の中では滝クリだけが「今年は共テレでも新人アナを採るから」と謂う脇の甘い判断で中途半端に割を喰わされた形になるわけで、その甘い人事判断のツケが今頃廻ってきたと謂うことだろう。

そう謂う意味では、秋元の年度の顔ぶれは、スポーツキャスターとバラエティアナと報道志向と謂う三者三様の方向性で、それなりに本人の資質に合わせてキャリアを積ませてから、今年四年目の若手にニュース番組のキャスターを任せると謂う思い切ったことをしているわけで、最初からこう謂う堅実な人材育成を考えていれば好かったのにねぇと謂う感想を持った(笑)。

ただ、秋元の年度以降は、二年続けて大島由香里と椿原慶子と謂う「アイドルじゃないほう」の女子アナに報道志向の人材を採り、スーパーニュースのフィールドキャスターをやらせているが、今年の一年生はアイドル役の松村未央に天然ボケの山中章子と謂う取り合わせで、男性二人にも報道志向の人材はいない。

女子アナの話ばかりしてきたが、よく考えてみるとフジの男性社員アナと謂うのは伝統的にスポーツ・文芸・情報バラエティ志向の人材に偏っており、現在アナウンス室に所属する男性社員に報道志向の人材は皆無で、これは凄いことじゃないかと思う。そもそもニュースがやりたかったらフジなんかに入らないと謂うことだろうが。

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コメント

相川梨絵が好きなんですよ。でも滅多に見ないなあ……と思っていたら、そういう事情だったんですか。知らなかった。

投稿: hietaro | 2009年10月17日 (土曜日) 午前 02時23分

>hietaro さん

うおぅ、大阪を愛するhietaro さんからCXネタにリアクションがあるとは意外。

>>相川梨絵が好きなんですよ。

相川梨絵、オレも割合好きなんですけど、ちょっと北関東の女らしいヤンキーっぽさがありますね。その辺が飾らなくておもしろいところなんですが、率直さが行き過ぎて場を凍り付かせるような危なっかしいところもありました。

エピソードとして有名なのは、「うまなりクン」で太田光が「初体験はいつ?」と無茶振りをしたら素直に答えたので、振った太田が引いたと謂う一件ですが(笑)、三年間の研修出向の時期はそれなりに露出が多かったですね。ウィキの記述では、

>>時折共演者を驚かせるほどの天然的発言をする天真爛漫なキャラクターで人気。新人時代は勢いが空回りしてしまう場面が目に付くことが多かったが、それで苦労したのか、年齢に見合った安定感が出てきている。

…とありますが、たしかに何だか苦労しているようなところはありました。新人時代は元気なキャラでしたが、何か最近は落ち着いたと謂うよりちょっと陰気になったような気がします。

少し前まではいいともやめざましなどにも出ていたんですが、現在では地上波の出演番組はめっきり減って「キク!みる!」と「通販DJ」だけで、大阪だと系列局の関テレでネットしていますね。オレの中では、いつまでも相川梨絵は若手の印象があったんですが、千野志麻や滝クリと同期だと思えばけっこう中堅ですね。もう三一だもんな。

こうして視ると、結局六人もいた二〇〇〇年度組の女子アナで一線に残っているのは滝クリだけなんですねぇ。局アナで唯一結婚後も在社している梅津弥英子は何をしているのかと思ったら、産休中でした。

投稿: 黒猫亭 | 2009年10月17日 (土曜日) 午前 05時40分

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