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2010年1月23日 (土曜日)

あふぉうのEPGはいつも真っ赤

気が附けば前回のエントリの日付が一一日と謂うことで、最も近々の書き込みでも先週の土曜日の日付なのだから、丸々一週間手付かずで放置してしまった。

今週を振り返るとそれほどベタに忙しかったわけでもないので、なんでこんなに間が空いたのか不思議なのだが(笑)、よく考えてみると、早めに帰宅出来て少し時間が空いていてもHDDレコーダーの整理に追われて、後は酒呑んで飯喰ってオシマイ、と謂うパターンだったことを想い出した(笑)。

よく考えるまでもなく、オレが録画予約を入れすぎていることは明白で、仕事が忙しくなるとわかった時点で大分要らない予約(「要らない予約」が入っている時点ですでに無駄なのだが)を切ったのだが、それでも毎日帰宅してから或る程度やりくりしないとすぐにHDDが一杯になる。

それは何故か。

それが毎朝「めざましテレビ」を予約録画しているからであることは更めて考えるまでもなく明々白々であって(笑)、しかも金曜の深夜は「キャンパスナイトフジ」を、土曜は「めざましどようび」と「王様のブランチ」を予約しているのであるから、金曜深夜までに週日の片を附けておかないと落ち着いて寝ることも出来ない。

阿呆である。

こんな阿呆は日本に二人といないくらい阿呆である。

いや、多分オレより阿呆なマニアは意外とたくさんいるような気がするが(笑)、そう謂うヒトはHDDレコーダー複数台体制とか(それはそれなりに阿呆だが)或る程度コストをかけて対処しているのだと思うが、貧乏人のオレは一台のレコーダーでちまちまとやりくりしているから相当大変なことになる。

このような状況であるから、仕事が忙しいのに「金曜ナイトドラマ」枠を録画していた頃は物凄く大変であった。帰宅したらもう「マイガール」の録画が始まっていたときの絶望感と謂うのは、多分誰にもわかってもらえないだろう(わかりたいと謂う奇特な方もいないと思うが)。現在は物凄くどうでも好い「サラリーマン金太郎」なんかをやっているので、何の未練もなく予約を切ることが出来て大いに助かっている

ここまでの記述で合理的推理力の優れた方は気附かれただろうが、空いている時間の殆どを録画データの整理に費やしているのだから、その録画した映像を観る時間は殆どとれていない(笑)。仕事がヒマな頃からそんな傾向はあったのだが、今は忙しくて週末以外は纏まった時間がとれないのだから、苦労して編集した週日の録画はDVDに焼いたらそれでオシマイと謂うのが毎度のパターンである。

似たような嗜癖を持つ友人とよく話すことだが、われわれがこれから死ぬまでにこれまで蒐集した録画映像の何%を見返すことだろうと考えると、多分今やっていることの九割九分九厘九毛以下一〇桁近くまでは無意味な反射的反復行為である。

或る種、これは強迫観念に近い動機から毎日繰り返されている生活習慣に過ぎないのであって、カラーボックスに何杯分も溜まったDVDの山は、その成果物自体が目的なのではなく、そのようにして生きていく生活の在り方の所産として蓄積される痕跡のようなものである。

それは一種非合理な欲望の産生物であって、蓄積された蒐集物それ自体には合理的な有用性は殆どないのかもしれないし、たとえばオレが今この場で死んだ場合、オレの遺族がその録画メディアをただの大量のゴミとして処分してしまうだろうと想像してもまったく何の痛痒も感じないが、オレが生きている間にそれを自ら処分しろと言われてもそれは出来ないだろう。

VHSの録画機器がオレみたいな貧乏人にも買えるようになったのは、オレが二〇代後半の頃だったが、まだまだメディアが高価だったので今のように無闇矢鱈にTV放送を録画すると謂う習慣はなかった。現在のように録画整理に追われるようになったのは間違いなくHDDレコーダーを購入したお陰だが(笑)、思い返すとS−VHSが出たくらいの頃からメディアが格段に安くなりコンビニでも取り扱うようになって、無闇に何でも録画する習慣はその頃に根付いたような記憶がある。

現在の住居に引っ越す為にS−VHSカセットを大量に処分した話はすでにしたが、ラベルも何も貼っていないカセットを含めて二〇〇〇本以上あったのだから、HDDに乗り換えるまでの一〇年くらいの間、ずっと年平均二〇〇本近く録画していたと謂うことになるから、週に平均カセット四本分くらい録画していたことになる。

九〇年代前半はまだしも番組毎にカセットを分けていたから整理しやすかったが、後半になるとズボラになってきて、その週の番組を一本のカセットに続けて録画するようになってきて、いろんな番組がごちゃ混ぜに入っていたり入っていなかったり一番組だけ全然関係ないカセットに録画していたり、混沌の極みになっている。

さらに細切れのバラエティ番組が一八〇分テープにゴチャゴチャ入っていたり、毎週視聴している番組の途中から上書きされて入っていたりして、昔から脊髄反射でリモコンの録画ボタンを押すと謂う悪癖があったことにエビデンスが残っている(笑)。ただ、現在のように特撮番組やドラマのような纏まった映像コンテンツが何でもCSで放映されたりDVD化される世の中になってみれば、逆にそう謂うくだらないバラエティ番組の半端なカケラが結構貴重だったりするから面白いものである。

であるから、現在の無闇矢鱈に録画する習慣は、決着するところHDDレコーダーがもたらしたものと謂うより、昔から条件が許す限り同じことをやっていて、そのような嗜癖に好適な機器としてHDDレコーダーが登場して勢いが附いただけ、と謂う結論になりそうである。

これを別の言い方で表現すると、今現在のオレは相当無意味で阿呆なことに相当量の時間を費やしているわけだが、それは昨日今日いきなり阿呆になったわけではなく、二〇年くらい前から一貫して阿呆だったと謂うことである。

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コメント

ああ、なんだかホッとしました(木亥火暴!!)。

番組表を見ていて、気になるものがあったら、とりあえず予約ボタンを押す、と言う行為は小さい頃からテレビに親しんできた我々の世代としては本能的行為なんですよね。そうですよね(笑)。

とむざうさんとは違った意味でじっくり見返す時間がないのに予約ボタンを押し、録画した番組がHDD内部でほどよく熟成された頃までDVDに焼くこともせず、相方に「いっぱいになりそうなので消してくれる?」と聞かれてこっくり頷く。

対処の仕方は全く違いますが、なんだかもやもやが少しスッキリしたような気がします。気がするだけかもしれませんが(木亥火暴!!)

投稿: がん | 2010年1月24日 (日曜日) 午前 11時38分

>がんさん

>>番組表を見ていて、気になるものがあったら、とりあえず予約ボタンを押す、と言う行為は小さい頃からテレビに親しんできた我々の世代としては本能的行為なんですよね。そうですよね(笑)。

その通りです(笑)。TVっ子世代と謂われる或る限定された世代では割と一般的な傾向だと思うんですが、われわれの世代は生まれたときから身近にTVがありながら、民生用の録画機器はまったく普及していなかった時代性で育ったわけで、或る種のノスタルジーと映像の記憶が渾然一体となっているわけですね。

そうすると、垂れ流しが当たり前だったTV映像が一般家庭でも録画可能になると、ダボハゼのように録画に奔走すると謂うことになるわけで、これは生まれたときから録画機器やレンタルビデオと謂うシステムがあるのが当たり前だった世代には共有されていない感覚だと思います。

まあ、映像と謂う個別性を離れてもっと一般化して謂うと、これも一種の「男性のハムスター行動」みたいなもんでしょうけどねぇ(笑)。ハムスターは何でもかんでも自分のテリトリーや巣の隅っこに埋めて貯蔵する習慣があるそうで、これはたとえば思春期の男性が苦労してゲットしたエロ本をベッドや敷き布団の下に隠すと謂うような本能行動との関連が動物行動学的に指摘されています(笑)。

投稿: 黒猫亭 | 2010年1月24日 (日曜日) 午後 02時47分

漫画家のとり・みきが似たことを書いていたような。

ぼくは世代を考えるとだいぶTVに縁遠いほうなんですが(20代のころはTVそのものを持っていなかったし)、去年HDDレコーダを買ってから、録画分の消化のために週末の行動パターンがだいぶ変わってしまいました。ほとんどディスカバリーチャンネルとナショナルジオグラフィックチャンネルしか録画してないんですけどねぇ。

投稿: pooh | 2010年1月25日 (月曜日) 午前 08時21分

ものすごく納得できる、耳の痛い言葉です。(爆)

投稿: 山形ミクラス | 2010年1月25日 (月曜日) 午後 07時38分

>poohさん

>>ぼくは世代を考えるとだいぶTVに縁遠いほうなんですが(20代のころはTVそのものを持っていなかったし)、去年HDDレコーダを買ってから、録画分の消化のために週末の行動パターンがだいぶ変わってしまいました。

オレの生活の中にTVがなかったのは全人生の中で一年くらいですかねぇ。でも、聞いてみると学生時代にTVを持っていなかったと謂う同世代人は案外多いですね。そちらで時々お若い時分のお話が出ますが、毎晩友人と連れだって飲み歩いているようなライフスタイルだと、たしかにTVなんてのはそんなに必要だと謂う感覚でもないだろうと思います。

なくても不自由しないと謂うのは理解出来るんですが、自分の感覚で考えると生活の中にTVがない状況と謂うのは考えられないですね。基本的に映像文芸が好きですから、映像を視聴する機器がない状況はちょっと耐え難いと思います。

あと、HDDレコーダーのメリットを物凄く単純化して謂えば、「メディアを出し入れしなくても数十〜数百時間の録画番組が観られる」と謂う部分ですね。VHS時代を考えると、とにかくメディアの出し入れってのは、ちょっとの手間なんですが意外に面倒くさいので、デッキに入っている一本のカセットを繰り返し使用するような使い方も一般的でしたが、それが一気に桁外れな容量になったのは大きな違いだったと思います。

今でも、ウチみたいなヘビーユーザーでなければ、DVDには殆ど焼かずにHDD内部のデータを気が済むまで観たら消去する、よほど残しておきたい番組だけ焼く、と謂う使用法のほうが多いと思います。

投稿: 黒猫亭 | 2010年1月26日 (火曜日) 午前 07時48分

>山形ミクラスさん

何かとても無駄なことに人生の大半を費やしているような気がするのですが(笑)、ではそんな無駄なことはやめて、もっと有意義なことに使おうと考えると、ハタと何も思い附かない辺りが情けないです(笑)。骨の髄までTVっ子なんですなぁ。

投稿: 黒猫亭 | 2010年1月26日 (火曜日) 午前 07時50分

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