深く考えまい
オレはここ一〇年ほど東武東上線沿線の住人なのだが、練馬時代も埼玉時代も専ら地下鉄直通の路線を利用している関係からか、例のアイボリーホワイトに紺色のストライプが入ったタイプ以外の車輌に乗ることが多い。鉄道にはまったく興味もなければ知識もないので、あのタイプの車輌も今では大分古くなっているんだろうな、くらいの印象しかなかった。
先日いつものように準急の次の地下鉄直通を待っていると、いつもの乗車位置に辿り着いた頃合いに先発の準急が停車し、これは例の東上線カラーの車輌だった。乗降客をやり過ごして乗車位置に立ったのだが、電車に近附いて何気なくドア付近に目をやると、何があったものか電車の外壁が不規則に凹んでいるのに気が附いた。
その凹んだ跡をよく視ると、どうやら車輌の外壁は二重構造になっているらしく、外側の鋼鈑が横幅五〇センチ、縦三〇センチくらいに亘って雲のような形に剥がれていて内壁が露出しているように見えた。勿論その上からしっかり塗装してあって、そこだけ不自然に塗装が新しいとか色調が違うと謂うこともなかったので、東武鉄道サイドではこれ以上手を加える必要はないと認識しているらしい(笑)。
それまでオレは、視るからに軽量そうな地下鉄の車輌の印象しかなかったから、電車のガワなんてそんなに分厚いもんではないだろうと思っていたが、切断面を視ると厚みは一センチ近くあるようである。
つまり、一センチ前後の厚みの外側の鋼鈑の下にさらに鋼鈑の層があるわけで、それもその程度の範囲で剥き出しになっている分には、通常の運行に支障はないと見做されているわけだから、或る程度の強度と厚みがあるはずである。何だか想像以上に電車のガワってのは分厚く出来ているもんだな、と思った。まあ、考えてみれば地上を走る電車のガワが地下鉄車輌よりも頑丈な構造になっているのは自然である。
…と謂うか、それ以前に、何があったらこんなふうに雲みたいな形で鋼鈑が剥落するんだろうと考えてみたのだが、あんまり楽しくない想像しか湧いてこなかったので深く考えないことにした。
いや、多分大して物騒な理由ではないだろう。電車の外壁には振動や複雑な応力が加わるから、金属疲労で亀裂が入り、そこから周囲に腐食が拡がっていたのを削り取って補修しただけなんではないかと思うが、亀裂が入ったのが金属疲労以外の理由である可能性もあるなぁ、とか考え始めるとどんどん厭な方向に想像が向かうので、それ以上考えるのをやめた。
人の心に傷跡があるように、電車にも触れないほうが好い過去があるんだろう(笑)。
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コメント
こんにちは。
泥酔した朝青龍が蹴ったとか(笑)……て笑い事じゃないようですが。
小学生の折りには京浜急行沿線に住んでおりました。
小学校に小豆色に白線が入ったボールがありましてこれを皆で「ケーヒンキューコー」と呼び、昼休みには奪い合っていました(ドッジボールをするのに当たり具合と謂い持ち重りと謂い妙に具合が宜しかった)。
投稿: うさぎ林檎 | 2010年1月30日 (土曜日) 午前 11時53分
>うさぎ林檎さん
>>泥酔した朝青龍が蹴ったとか(笑)……て笑い事じゃないようですが。
そうすると、当初は西武池袋線の車輌を蹴ってすでに示談が成立していると釈明していたのに、実際には東武東上線で未だ示談の具体的和解要件も合意が為されていないとかそんなような話に…いや、笑い事ではないですねぇ(笑)。オレ的には大兵肥満の男同士の絡み合いにまったく興味がないので、事態がどう運んでももどうでも好いんですが。
>>小学校に小豆色に白線が入ったボールがありましてこれを皆で「ケーヒンキューコー」と呼び、昼休みには奪い合っていました(
京急は運転免許の関係で鮫洲に行くときに利用したくらいですが、あの小さくて少数編成のくせに真っ赤な車体は派手ですねぇ。今のようにイメージカラーがストライプだけの型に代わる前の地下鉄丸ノ内線の車輌が、やっぱり真っ赤な車体に白線だったような記憶があって、ちょっと記憶が混乱しているんですが、電車には全然興味がないので色味やデザインの違いが全然わかりません。
たしかに京急の車輌のイメージだと「当たり具合」や「持ち重り」がちょうど好さそうな感じではありますが(笑)…って、もしかしたら何かしら差し障りがあるかもしれないので予め謝っておきます(笑)。
投稿: 黒猫亭 | 2010年1月30日 (土曜日) 午後 12時54分