2010年10月31日 (日曜日)

落語本二題

休日に歩き回るようになってから、休憩を取る為に少し時間を潰す必要が出て来た。これはつまり、往路で大体二時間くらい歩いたら、復路でルートを変えてもやっぱり二時間前後歩くことになるわけだから(笑)、往復四時間連続で歩き続けるのは流石に無理があるので、間に一時間くらい休憩を入れるわけである。

それで最近ちょっと読書の習慣が戻ってきて、通勤電車や勤め先でも空いた時間に本を読む時間が増えたのだが、先日は新書版の落語関係書籍を二冊買って読んでみた。一冊は堀井憲一郎「落語論」で、もう一冊は柳家花緑「落語家はなぜ噺を忘れないのか」であるが、結論から言えば両方ともそれなりに面白く読むことが出来た。

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2010年9月17日 (金曜日)

滑稽な死に様

poohさんのところで、うさぎ林檎さんが紹介してくださったホメオパシーによる悲惨な被害の事例が、何だか筒井康隆的な痙攣的ブラックユーモアに通じるものがあると謂う話が出ているのだが、やっぱりこの現代においてホメオパシーを信奉すると謂うのは典型的な「愚行」に当たるわけで、愚行の酬いが悲惨であればあるほど極端な滑稽さが生起してくると謂うのは、倫理性の問題ではなく笑いのメカニズムの問題のように思う。

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2009年11月29日 (日曜日)

落語のくらし 第一回 〜老少不定〜

今年に入ってから落語を聴くようになって、俄然落語関係のエントリが増えてきたのだが、ビギナーの怖い物識らずで個々の噺家や演題について突っ込んだ考察を加えるのも面白いが、雑感レベルの思い附きも追々増えてきて、気楽なエッセイ風の記事も書いてみたいな、と厚かましいことを思うようになってきた。

普通そう謂う落語随筆めいたものは、何十年も落語と親しんできて一定の知識や見識を具えた人が書くもので、今年聴き始めたばかりの初心者が偉そうに書くものでもないような気がして少しく気後れしていたのだが、まあそこで遠慮するのも却って図々しいような気もするので、至らぬところがあれば笑い物になるだけ、元々落語通でも何でもないのだから何を喪うわけでもない、と割り切って怖い物識らずを通すことにした(笑)。

趣向としては、毎回テーマを決めて古典落語で語り伝えられている昔の人々のくらしぶりに想いを馳せてみようと謂う凡庸なもので、併せて落語の代表的な演題のざっくりした紹介になれば読み手の便宜にもなるかな、と謂うくらいの考えである。

第一回のお題は何にしようかと考えたのだが、これが実は難題で、たとえば幾ら落語の代表的な舞台だからと謂って、昔のくらしぶりを語るのにいきなり遊郭の話から始めると謂うのも気持ちが悪いので(笑)、ここはちょっと気取って死生観と謂うか、生と死と謂うようなところから語り起こしてみようかと思う。

しかし、そう決めたは好いのだが、考えてみると落語のテーマとしては、死の話はゴロゴロしているが誕生に纏わる話は極少ない。

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2009年11月26日 (木曜日)

だらにすな

似たようなタイトルの使い回しで恐縮だが(笑)、「だら」とは北陸地方の方言で阿呆とか莫迦とか尾籠とか謂うような意味である。

であるから、「だらにすんな」と謂えば「莫迦にするな」と謂う意味になるが、こう謂う言い回し自体は比較的新しい用法で、おそらく戦前とか明治大正の頃はなかったんではないかと思う。つまり、「だら=莫迦」の意味だとしても「莫迦にする」「虚仮にする」と謂う言い回しは一繋がりのもので、莫迦や虚仮をそれに相当する方言で代替すると謂う発想は、比較的新しい言語感覚だと思うからである。

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2009年10月21日 (水曜日)

らくだの災難

オレが落語を聴くようになったきっかけを作ってくださったのはhietaro さんで、就中上方落語の大ネタである「らくだ」を論じたエントリの影響が大きかったのだが、オレは残念ながらこのネタがそんなに好きではない。それについて、最近またあちらで話題になったので、今回はちょっとウチでも引き取って語ってみよう。

最初のエントリの日附を視たら今年の二月だったので、よく考えてみるとオレの本格的な落語歴って八カ月くらいなんだよなぁ(笑)。あれから集中的にいろいろ音源や動画を収集して聴き比べたり、いろいろ情報を調べてみたりしたので、自分でも何だか随分前から落語に親しんできたかのように錯覚していたのだが(笑)、本格的に聴き始めてからまだ半年ちょっとくらいなのである。

その短い間にいろいろ聴き込むうちに結構落語観の変遷もあったのだが、現状の嗜好としては、ネタの性格は上方落語のほうが好きだが、米朝一門以外はあまり聴く機会がなく、その分江戸落語は演者の層が厚いので大体半々くらいの割合で聴いている。

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2009年10月11日 (日曜日)

Mecha horse

…と謂っても、機械伯爵が乗っているアレのことではなく、落語の話である。

先日のエントリでも少し触れたが、現時点で聴き応えのあるポッドキャスト落語と謂えばフジテレビのお台場寄席辺りと謂うことになるが、すでに述べた通りこちらでは寄席演芸一般を広く採り上げていて、講談や色物、芸人・業界人インタビューなど落語以外の番組の割合が多い。

先日のエントリで触れた一龍斎貞水の「江島屋怪談」に続いて先週も宝井琴桜の「豊竹呂昇の物語」と講談が二週続いたが、今週はようやく落語の番手が廻ってきて、古今亭菊之丞の「妾馬」が配信された。

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2009年10月 2日 (金曜日)

モダンなホラー

今回は久しぶりに落語の話だが、厳密に言うと落語ダネではあっても講談師が語っているので講談と謂うことになる。すでに時季はすぎてしまったが、タイトル通り怪談の話である。

ポッドキャスト落語の老舗格「ニフ亭寄席」が配信を停止して以来、残ったメジャーなポッドキャスト落語はフジテレビの「お台場寄席」とピザハットの「ピザハッ亭」だけになってしまったが、ピザハッ亭のほうは演者が好みではないのと更新頻度が少ないのが難で、毎週曲がりなりにも楽しめるのはお台場寄席だけになった。この他、落語協会のインターネット落語会でも落語を動画配信しているが、これはDL不可なのでPCがないと観られないと謂うハンディがある。

このエントリの為に久しぶりにニフ亭のサイトを覗いたら、有料コンテンツ化に向けて検討を重ねているようなので、ご興味のおありの方はポチッとして戴けると有り難い。二つ目中心の人選なので、一本一〇〇円くらいだとちょっと微妙だが、まあ多分ペイするのがその辺りなんではないかと思う。

さて、お台場寄席のほうは落語に限らず寄席芸能を幅広く採り上げるのが特徴で、逆に謂えば講談や色物の割合が多くて落語ファンには少し物足りないところもある。まだしも講談や漫談・漫才なら話はわかるが、奇術なんかまで音声配信するので、つまらなくはないものの、もう少し落語が多くても好いんではないかと思う。

先週の配信は一龍斎貞水の「江島屋怪談」で、恥ずかしながらこの配信の解説で初めて識ったのだが、講釈・講談の世界でもこの一龍斎貞水が人間国宝に指定されているとのことである。六十代半ばのことであるから、落語界の二人よりも一回りくらい若くして指定を受けている。

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2009年8月11日 (火曜日)

良くなったと思ったのに

五月頃に退院し経過も良好だったと謂う話だったので、桂米朝の脳梗塞については少し油断して情報を追っていなかったのだが、続報はないかと検索してみたら、どうもまたいけなくなっていたらしい。

桂米朝さん、脳幹梗塞で入院 出演取りやめ

桂米朝が脳幹梗塞で再入院、治療に専念へ

すでにもう二週間近く前の記事だが、やはりもう現役の噺家としての活躍は今後期待出来ないのだろうか。噺家としての復帰は無理だとしても、せめて安楽な余生を過ごしてもらいたいと願わずにはいられない。

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2009年7月20日 (月曜日)

ヘビロテの噺

ずっと児童ポルノ関連の話題が続いたので、ちょっと心がささくれ立った。こんなときには、久々に落語の話題などに戻って復調を図ろうと思う。大したネタもないのだが、オレのiTunesに入っている噺で再生回数の多いものを順に紹介してみよう。

…と謂っても、ストックしてあるデータでは、先般全集を入手したと謂うことで圧倒的に桂米朝が多くて、単独でプレイリストを作成している噺家と謂えば他に古今亭志ん朝と三遊亭圓生くらいしかないのだが、圓生は勉強の為に聴いているだけで好みから謂えば嫌いだし、志ん朝は大好きだがそれほどストックがないので、結局米朝の噺ばかり再生している。

なので、基本的に以下の口演はすべて米朝によるもので、噺の粗筋のほうは、またまた便利に世紀末亭さんの「上方落語メモ」や古木優さんの「千字寄席」へ無断でリンクさせて戴く(笑)。

実際に書いてみたら、結構長い話になってしまったので、今回はベストテンと言いたいところをベストファイブで勘弁して戴くことにする。

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2009年6月30日 (火曜日)

或る名跡考

例によって落語の話題である(笑)。こちらでも度々落語の話題に附き合ってくださっているhietaro さんのところで「深い意味はないのだけれど」と謂うエントリがアップされ、これまで会話を楽しませて戴いていたのだが、そこで不図「春風亭小朝の三遊亭圓朝襲名」と謂う話題が出てきて、「ああ、そう謂う話もあったなぁ」と想い出した。

hietaro さんのほうは「小朝のほうにも圓朝を狙う意欲はあるのではないか」と謂うお考えで、オレは「いや、小朝にそのつもりはないんじゃないかな」と謂う考えで、意見が分かれたのであるが、まあこれは小朝本人にしかわからないことなので(笑)、飽くまで想像の範疇でしかない。

その会話の中で、hietaro さんが参考として挙げられたのが「東京ポッド許可局」と謂うポッドキャスト放送の第二三回第三八回緊急特番における小朝の去就を論じた放送なのだが、オレが聴いた感触では「確信犯の希望的観測」の域を出ないように感じたし、どうもその説明が大変不正確なのではないかと感じた。

ロジックの強引さは、まあこう謂う放送の性格上、芸としてはアリなのかなと思ったのだが、どうもその背景説明で語られている落語の知識が、オレの調べた範疇ではかなり不正確に感じられたので、自信はないがツッコミを入れてみることにした。ところが、レスを書き始めると、これが予想通り物凄く長くなったので、やむなくこちらで引き取ることにした次第で、レスとして書いたそのままをこちらで掲載する。

ご興味がおありであれば、是非元の遣り取りを辿って戴きたいところだが、まあ話自体は結構脇筋の問題なので、最低限これだけ読んでも意味は通じるかな、とも思う。文中で「この放送」と書かれているのは、上記のポッドキャスト放送のことである。

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